re:マウスパイプ?(その2)  #53
投稿者:  やまっち (10/13 18:24)

両端が自由空間に接する円筒形の管に定在波を作るにはどうしたらよいでしょうか?そうです。管の中に振幅の「節」を作ってやれば良いのです。

管の両端は自由空間に接していますので圧力は最低となるため、常に「疎(腹)」になります。ということは管の中の1カ所に「密(節)」を作ること、つまり、【疎(腹)--密(節)--疎(腹)】の構成でその管の持つ一番基本になる定在波を作り上げることが出来ます。この波長のことを基音といいます。管の両端は常に腹になるのですから、第2倍音は【腹-節-腹-節-腹】という風になります。

このような理由から管の中の気柱の固有振動は、管の長さによって決まることが分かります。しかし、管の両端の開口端付近の振動は実際にはもっと複雑で、波の反射が起こる位置が管の太さによって異なってしまうのです。

実質的に、振幅の腹の位置が管の半径の約0.65倍、管の外になるためで、管の長さが約0.65r(rは管の半径)長くなったとして管の長さに加えて考えなければなりません。これを開口端補正といいます。

以上は円筒管における定在波の理論でしたが、トランペットは円筒部分と円錐部分があるため、こんなに単純ではありません。

円錐管の理論はとてつもなく難解で、私の手には負えません。が、理屈だけ簡単に述べておきます。

円錐管に於いては高次倍音に向かうほど波長が長い方へ引き寄せられる性質があるということです。つまり、円錐管では腹の位置は不変だが節の位置は倍音のモードによって異なってくるということです。

このことから管の全長に占める円錐管部分の割合が大きいほど高次倍音は下がり、音色はより落ち着いたダークな感じになることが予想されます。

しかし、この円錐部分が管のどの位置にあるかで性質(役割?)が変化してしまいますので、一概には言えないのです。

↓(つづく)






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やまっち
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