re:研究テーマ・・音色と唇の両端の疲労の関係  #5447
投稿者:  かず (99/12/01 09:58)

奏法のことを一生懸命考えることは良いことだと思います。
中山先生は日本にトランペットの合理的な奏法という概念を取り入れた最初の方で日本のトランペット界に多大なる影響、貢献をされました。私も直接はレッスン受けませんでしたが、少なからずお世話になりましたので、恐れながら少し代弁させていただきます。
唇の両端に力を入れるというのは中央の唇の振動を確保するための支点だと思います。そこを起点として頬など口の周りののさまざまな筋肉が複合的に働きます。あくまで唇をすぼめすぎたり、引きすぎたりしないためにある一定のところに固定しておくためのものです。それも意識的に力を入れるのではなく、正しい息の入れ方をしていると自然に力が入ってくるものです。また、筋肉はすぐにつくという性質のものではありません。繰り返しますが、アンブシュアは唇の両端だけでなく、あらゆる口の周りの筋肉と均衡を保ちながら、形成されます。10分で疲れるとはいえ、それほど間違った方向に進んでいるとは思えませんので、もう少し様子をみては?
しかし、幅広い奏法の観点からいうと口の周りの筋肉の酷使は良くありません。呼吸法とのバランスも大事です。
奏法は中山奏法をはじめ、マジオ、スーパーチョップスなどさまざまありますが、基本は自然であることだと思います。自分にとって無理のない吹き方を心がけた結果、さまざまな「必要な」筋肉の緊張が生まれてくるものです。(そこは中山奏法も同じです。)
しかし奏法は方法論で、あくまで音楽を伝えるための手段です。中山先生も奏法のことはもとより音楽を強調する方でした。長くなるので最後に先生のお言葉を紹介します。
「音楽は熱い心と冷えた頭で演奏しなければならない」その逆にならないようにという苦言も含まれています。