re:ロングトーンの重要性>目的を持って  #13093
投稿者: えっくすきゅー (2001/07/13 11:34)

私は、いわゆる「ロングトーン」、つまり短音を伸ばすだけの練習は、しません。

しかし、日々のエクササイズの中には、ロングトーンの要素は多々含まれます。
アルペジオ、スケール、クロマティクス、タンギング、リップスラー、アーティキレーション、
クレッシェント、デクレッシェント、ダブルHi音域、ペダル音域、種々の要素の組み合わせで練習を行いますが、
どれにもロングトーンの要素は入ります。

で、各練習は必ず、目的を持って行われるべきだと考えています。

ロングトーンの是非は、ロングトーン自体ではなくて目的意識の違いによるものです。

もし、ウォーミングアップを目的としたロングトーンで、ピッチ、タンギング、
音色等、出てくる音に重点をおくなら、それは間違いです。
ウォーミングアップは、呼吸系統、唇の柔軟性、etcの必要な部分の感覚を目覚めさせる
のが目的なので、出てくる音は放っておきましょう。そこに気を取られすぎると、
唇で音を掴みに行ったり、マウスピースを押し付けて音を整えようとしてしまって、
「唇が硬くなる」「癖がつく」というお話になるのです。

出てくる音など気にせず、(出なくても可)息や体を正しく楽に使う目的でウォーミングアップを
完了すれば、唇が音を掴みに行くことも、必要以上にマウスピースを押し付ける
必要もなくなります。「楽に正しく体を使えている状態」ですね。
そこまで行って、初めて正確さ、出音の訓練を開始すれば良いのです。
正確さ、出音の訓練を続けると、やはり唇固くなったり、癖が出てきますから、
また休息をいれるつもりで、ウォーミングアップ流のロングトーンをして
体をほぐせば良いのです。

ウォーミングアップと、出音の練習、目的の違いをはっきり認識すれば、
ロングトーンのデメリットを避けてメリットを享受できます。