re:いきなりハイ???  #25951
投稿者: サイトウ (2005/10/06 13:58)

サイトウと申します。
「いきなりハイB♭」について,少し前に書き込みさせていただいたことがあります。もともとは藤井完先生のBBSでこのアプローチ法について書き込みし,先生から「その有効性について否定はしない」との言質をいただいてからあちこちでこの言い方を使わせていただいたものです。ポイントとしては,あくまでリラックスした唇で,締め付けずに,しかもプレスしないでハイノートの発音をすること。下の音から上がって行って高い音を出すのでなく「いきなり」高い音を出すという意味とフレッシュな吹き始めの唇で「いきなり」高い音を出すという意味を込めております。あるコツの発見が必要だと思いますが,高い音は「ギュウギュウ力を入れて発音するもの」という固定観念を持っている方は,これができるようになると別世界を経験することになると思います。ただ,私がうまく行ったからといって皆さんそれで万事うまくいくとは思っておりませんのであしからず。
炬燵みかんさんが仰るように吹き始めやブランク後は高い音が出やすいですよね。それはなぜだろうと思うのです。疲れていないから? 唇が硬いから? それもあるでしょうが,恐らく上唇がリラックスしているからだと思うのです。私の場合,以前は練習の最初は必ず中音から低音,ベダルに倍音を下がる練習をしていました。マジオやスタンプに書いてある例のやつですね。ところがそれをすると高い音が出なくなる,プレスしないと出なくなる。低音を出そうとするあまり,唇が開いてしまって,粘膜でバァーバァーやっても意味ないですよね。開かないで低い音を出す練習をするのならいいのですが,低い音を練習すれば高い音も出るようになると信じてやっていたわけです。
あるとき,1日の吹き始めに遊び半分で唇を少し巻く感じで高い音を吹いてみると,力も入っていないしプレスもしないのにハイB♭からハイF近辺の音がピュッと出てしまうので,これが面白くて吹き始めは必ずこれをするようになりました。コツを覚えるまでは,最初のひと吹きしか出せないわけですから,1日の唯一のチャンスという訳で面白がってやっておりましたら,そのうちダブルハイB♭が出せるようになりました。今までまったくご縁のない音域です。加えて音色が明るく通りのいい音に変貌していきました。藤井先生のおっしゃる「アンブシャと喉のつりあい関係」「歌うような吹き方」ができてきたのだと思います。
私の場合,中音域から下がるウォームアップ法だと唇が開いて粘膜依存になってしまうのです。だから高い音をまず楽な唇で鳴らしてから,下に下がるようにすれば開かないアンブシャを体に覚えさせることができる。しかも高い音を力を入れずに吹けることを体感し,低音域から高音域に上るときに力を入れない癖をつける。ラッパの奏法というものは,体の無意識の動きや癖との戦いだと思うのです。私のように何10年も吹いてきて壁をどうしても越えられない人は,恐らくこのことが足かせになっているはずです。だから,今までとまったく違うやり方を体に擦り込むことから,体の癖を取り,別の正しい癖を付けていく。そのために「いきなりハイB♭」はいかがですか?ということです。分かっていただけますでしょうか。