re:00/11/13記事について質問  #10066
投稿者: サンデーペッタ− (2000/12/06 22:29)

kuのアタックは慣れないと難しいですね。
tutuku、tukuのタンギングのときのkuのアタックは、tuで
舌を突いた跳ね返りでアタックされるような感じで、kuの
アタックをするために舌の力は使っていないのです。(少なくとも
私の場合。)
シングルタンギングの際の舌の力の入り方は、突く時ではなく
引く時と教わったことはありませんか?
シングルタンギングでは息の流れで突いて、その瞬間引く
のが基本と思います。つまり、息をfu-と吐き出している出口に
舌先を近づけるとあるところから息の流れで舌が持っていかれて
出口が塞がるでしょう。その瞬間舌を引いて元の位置に戻すことで
シングルタンギングが成立します。
ダブルタンギング、トリプルタンギングはその舌の引く時に、
シングルタンギングのときより多少勢いをつけて引き、
そのため舌の後ろに山が出来て空気の流れを一瞬止めるのが
kuのアタックです。
ですから、kuのみのアタック練習は効果的ではないと思います。
必ずtukuのセットでやるべきでしょう。
実際に吹きながら出来ないなら、tutuku,或いはtukutukuを
無声音で発音する練習をしましょう。
注意すべきところは、ブレスをしっかり取って、吐き出す
息のスピードを感じて、tuで突く時は息の力で舌に入れる力
は引く時ということを常に気をつけることです。
tukutukuのダブルより、tutukuのトリプルの方がそのことが
上手く出来てないと安定して続かないので、tutukuの
練習を先にマスターすべきでしょう。私もトリプルの練習を
先にしてましたが、それが出来るにつれ、ダブルも出来るようになっていました。
tkyさんもrosolinoさんのレスにも同感です。
口だけの練習は出来るだけ楽器を吹くときの口の形、顎の位置
に固定してやってください。
参考にムソルグスキーの「禿山の一夜」のCDでも聞いてください。Tpの
長いトリプルタンギングの部分が終わりの方に出てきます。
これが口で言えれば口だけの練習はもう止めてもいいでしょうね。


で、本題はここからなんですが、(長くて申し訳ない^^;)
口だけではtukutukuもtutukuも安定して発音できるが、楽器を吹くとき
だと全然上手くいかないという場合、アンブシュアの形と息の流れに
問題があると思っていいでしょう。
ダブル、トリプルがクリアに出来るためにはアンブシュアの固定すべき
ところはしっかり固定され、柔軟であるべきところは柔軟でなければ
上手くいきません。(当然ですが)
普段tuのアタックしかやっていないと唇がマウスピースのカップの
方に集まってきてしまう(すぼまる言うべきか)なると思います。
その方が口元が楽ですし、tuの発音はその口の形のほうが方が自然だからでしょう。
でも、そういうアンブシュアで吹いていると、カップの中に
唇が入りすぎる傾向になり、また土台となるべき筋肉の緊張が
足りないため、先に述べた固定されるべきところはしっかり
固定し、柔軟な部分は柔軟にのトレーニングが十分できません。
程度が極端でなければそれでもある程度吹けてしまうので
気が付かないケースも多いと思います。
この状態で、ダブル、トリプルタンギングをやろうとすると、
このタンギングで音を発するとき、それまでのシングルタンギング
で音を出すときより、一つ一つの音を発するための息のスピード、
圧力がシングルのときより早く強くなります。(レガートで
やるときもありますが)
そうすると、ダブル、トリプルタンギングのときは
カップに唇が入む傾向になり、そうすると息が詰まって
息のスピードが得られないためkuの発音をするための舌の
跳ね返りが得られません。
それで、より息は入るようにとアパチュアを広げようとると口元が緩んで
息が漏れてしまい音になりません。
そうすると、クリアで歯切れのいいダブル、トリプルタンギングの
響きを得ようとすると必然的に、唇のカップの内側になる部分は
カップの中に息の力で負けて入り込んでしまうのを防ごうと
前歯に赤肉部分を固定し、短くてスピードの速くかつ圧力の
高い息でアンブシュアが狂わないためにまた息が漏れない
ために土台となる部分がしっかり固定できなくてはなりません。
つまり、カップ内に赤肉部分が入ってこなくても強い響きを
つくれる柔軟性と、土台(マウスピースの外側にくる唇全体)
となる唇の赤肉(粘膜質部分)を上下顎に固定できている必要
があるのです。
プロ奏者の演奏中の横顔をみれば顎の骨格にしたがって
口元が引き締まっているのがお分かりと思います。
出来るだけそういうところもみて参考にすると理想にイメージが
はっきりしてきます。

口だけで言うときにtukutukuよりtikitikiのほうがkiがより
明確なアタックになりますが、tiでは実際にはアタックになりません。
舌を突いたときのアタックを明確にすればtuku,跳ね返り時の
発音を明確にすればtikiとなるでしょう。ダブル、トリプルの
練習はその両者の妥協点を探すともいえると思います。

以上かなり理屈っぽく書きましたが言いたいことが分かりいただけましたか?
我流ではないのですが、「それは違うのでは?」と思う方もいらっしゃるでしょう。
少なくとも私はそういうプロセスをたどりましたので、
ご参考になればと思います。