re:ラッパ吹きとは。  #1043
投稿者:  くりさん (7/2 03:26)

「ラッパ吹きは目立ちたがりである」というのは、僕は偏見だと思っています。
ただでさえ知名度の高い楽器です、座っているだけでもラッパ吹きは常に注目を集めているんです。その上目立とうなどと思えば、それはもう露骨を通り越して嫌味としか思えません。
ましてやベルは観客を威嚇するかのように前を向いています、音が目立つのも当然です。
もともとトランペットは音楽というよりも信号や合図に使われていたものだし、目立って当たり前のものなのです。
だから僕は「ラッパ吹きは否応なく目立たざるを得ないもの」と考えています。目立ちたがりばかりがやっているとは限らないのです。
ジャンルにおいても考え方は変わると思います、それはアイルトンも記していましたね。
少なくとも吹奏楽では前に出ることよりも「合わせる」ことが大切なのです、理解できないといわれてもそれがセオリーなのですから…。
僕も昔は目立つことしか考えていませんでした、トップに居座ってハイトーンギュンギュンいわせていれば満足していました。
しかし、そんなものはたから見れば迷惑以外の何物でもありません。他人の自己満足に付き合わせられるほど苦痛なことはありませんものね。
合わせることの楽しさ、そして難しさを実感したのは一般バンドに所属して2ndや3rdを担当するようになってからのことでした。
セクションがひとつのハーモニーとなって奏でられる時の快感は、体験した者にしかわからないでしょう。
そういう観点から僕は「2nd、3rdはヘタクソがやるもの」という偏見にも反発を感じます。
誰もがトップを狙っているというわけではありません、プレイヤーの向き、不向きというものもありますし。
もちろん、向上心は常に持つべきと思っていますが、1st奏者が頂点、という考えがすべてに当てはまるとは思えません。
与えられたパートに全力を尽くす、それが奏者に与えられた使命であり義務なのです。
1stもらって浮かれているのは単なるお調子者に過ぎません、パートやセクションをリードし統率するという責任を感じ、それを全うすることが出来る人こそが、1st(首席)奏者にふさわしいと僕は考えます。
それはジャンルを超越しても同じことだと思うのですが…。
ひとりで責任取るのだからひとりで吹けばいい、それもいいでしょうが、何人ものメンバーと同じパートを共有するのも楽しいものです。
確かに面倒は多いですけど、それが人と人とのふれあいというものでしょう?それを音楽を通して感じ合えるのが吹奏楽の醍醐味ではないでしょうか?
今はわがまま言ってバンドから離れていますが、この立場になって改めてそれを感じています。
「目立ちたいから」吹く、なんて肩がこるだけです。リスクと孤独にはさまれて、窮屈な思いをするだけです。
音楽するのが好きだから、トランペットが好きだから吹く、それでいいんじゃないでしょうか?
僕は最近そう考えるようになってから随分リラックスして吹けるようになりました。

ジャンルの違いや技巧の有無など、人それぞれに意見が分かれるのは当然のことと思います。
いい子ぶっているわけじゃないけど、こういう意見もあるということを参考にしてもらえれば幸いです。




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