まずバルブクリーニングをお勧めします  #1050
投稿者:  くりさん (7/2 16:56)

以前にも同じような質問がありまして、答えさせていただいたことがあるのですが、オイルを変える前にピストンとバルブケーシングのクリーニングを行うと効果は更に上がります。
まず、すべてのピストンをケーシングから抜き取り、ボトムキャップもすべてはずします。
次に、クリーニングガーゼにZippoオイルを染み込ませ、ピストンについたオイルをふき取ります。揮発性、引火性が高いので換気と火気には十分注意してくださいね。
ピストンは傷つかないように、ポリッシングクロスかガーゼの上に置いてください。
バルブケーシングはクリーニングロッドにZippoオイルを染み込ませたガーゼを巻きつけ、それを挿入して内部をふき取ります。
何故Zippoオイルを使用するのかといいますと、揮発性が非常に高いので金属面に不純物が残らず、完全に乾燥するからです。
ふき取りが終了したら、ボトムキャップの清掃もしてみてください。黒いものが付着していたら、それは金属のダストや不純物です。これがすべての元凶なのです。
ピストンを戻す時は、まずバルブオイルを接触面に行き渡るようにつけて、番号を間違えないようにケーシングに挿入します。間違えて入れると音が鳴らないだけでなく、最悪の場合抜けなくなることがありますので、くれぐれも注意してください。
最初はかなり渋いですが、オイルが全面に行き渡ると驚くほどタッチが軽くなるはずです。
そしてもう一度バルブオイルをピストンにつけてから、上のキャップを締めてください。ケーシングの下の部分から余分なオイルが垂れてきますので、それをふき取ったらボトムキャップを取りつけます。
ピストンとケーシングの清掃は、定期的に行うほうが良いでしょう。車のオイル交換と同じようなものです。
バルブオイルですが、楽器に付属しているものやメーカーもののオイルは総じて評判が悪いですね。強いていうならホルトンがマシなほうかな。
評判がいいのはアルキャス、アリシン、ヘットマンなどですが、僕のお勧めはT2です。楽器店にもケミカル関係に強い方がおられるはずですから、相談してみるのも良いでしょう。
最後に「ラッピング」というのは本来はバルブ(ピストン)とケーシングとを擦り合わせる際の作業のことを言います。この時の精度が悪いと止まったり、気密が悪くなるなどのトラブルの原因となるのですが、長年使用すれば摩擦のため精度が落ちるのは仕方がありません。修復もしてもらえますが、リペアを依頼した場合1本につき1万円くらいは覚悟したほうがいいでしょう。参考までに。



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