re:今はスチューデントなんですねぇ  #10849
投稿者: Chagayan (2001/01/29 16:47)

価格差でどう差別化しているかは、分かりませんね、ヤマハや他のメーカで
個別に違うでしょうし。常識的には、次のような要素で価格差が出るのでしょう。
1.作る職人さん:新米とベテラン、ベテランの中でも腕がいい人じゃ
時間単価違うでしょう。高い楽器は単価の高い人が作っている
(と考えたい)。楽器の値段にはねかえります。
例えば、カリキオなんかはオーナー自身が作ったぞーというカスタム楽器も
ありますし、モネットなんかは分業体勢でそもそも未熟な職人やとってません
から、本数少なければ、7ー8人しかいない人達の年収をそれで賄うん
ですから高くなるのも理解できないことはないです(でも高い)。
2.どこで製造しているのか?カローラとフエラーリ、同じ工場で作りますか
ねぇー。安いものは、台湾あたりに外注して、アセンブリだけ日本でやる
場合もあるんでは?
3.製造・加工精度:バルブとケーシングの隙間の精度なんか、上げれば上げる
ほど加工に手間がかかります。チューニングスライドも値段の
高いものはすごい精度でつくってる(ような気がします)。ただし、
外国製の楽器の中には楽器としては評判がよくても、キャップのオスメスネジ
があってないとか、バリがケーシングの中に残っているとか要注意です。
ヤマハならそんなことはないと思いますが(外国人はアバウトな人多し)。
4.材料:ベルの一枚取り、二枚取り。バルブにチタンなんか使うと
高くなりますね。
ベルもハンマーで手作業でたたき出すことを宣伝文句にしているメーカも
ありますね。これも新米の職人じゃできないと思います。
5.加工:金めっき(銀の上にかける場合と、ニッケルの上に
かける場合あり)、銀メッキ、ラッカー
6.熱処理:ゼノなんか応力除去やって分子の方向性まで揃えているなどと
カタログには書いてます、どんな処理するかは企業秘密
ですけれど、恒温炉で時間的に温度をどう上げたり下げたりするか
プログラム化してやっているでしょうから、時間はかかるし、炉に入れる
本数は限られますよね。
7.それから、最後にチョット難しいけど、新しい楽器を作り始めると
メーカはそれを作るための工具や加工機械をそれ用に新調します。
この設備費をチョビチョビと楽器の値段に載せます(減価償却費と
いいます)。 その楽器が売れまくるとこれはその内ほとんどゼロになります
から、その分安くなります。新しい楽器はこの割合が大きくなる(筈です)。
8.最後に
ある程度有名なプロでプロモデルとして売られている楽器をそのまま
使っている人なんて皆無でしょう。ヤマハアトリエなどと相談して
カスタム化してますよね。ああだこうだと時間かけて、それがホントの
プロモデル!そこで、職人さんの話に戻りますが、ヤマハアトリエに
行って、数原さんや、中川さんと単なる素人の私が同じ対応をしてもらえる
と期待するのも無理があります(笑)。ご紹介戴ければ別かも。
また一般に市販しているものでも、何々奏者モデルというのもあります。
これもプロモデルかぁ。段々話が込み入ってきます。
メーカによってはプロとかステューデントとか自社の楽器を区別しない
ところもありますし(俺の楽器は全部「芸術家」用だぁー)。
ああだ、こうだと小難しいこと書きましたが、結局、プロモデルでも学生が
使えばステューデント・モデル、自分で自分の楽器に名前つける人もいますよ。
金めっきの楽器なら、金さん、銀メッキなら、銀さん...。寒い。