re:矯正・・・  #11723
投稿者: サンデーペッタ− (2001/03/30 22:09)

まずは苦い思い出話から。。
前置きが長いがお許しを。
私も高校時代の3年間歯列矯正の経験があり、私の場合額関節の
異常も伴っていたこともあって医者に楽器はやめるように指示されました。
私の場合、上下にワイヤー+上下犬歯間に輪ゴムを引っ掛ける(食事のときは
外す)というものでとても吹ける状態ではありませんでした。
顎の痛みから高校以降は吹きつづけることは無理かなと思っていました
が、医者から親からだめだと言われ高校3年間Tp諦めざるを得なかった
瞬間はショックでしたね。再び練習再開したのは卒業後の一浪時代に
自宅で中学時代の校歌を吹けるようになることから始めました。
中3のころはhighBも苦にせず出たし、「サンチェスの子供たち」の
highDも決めれたのに、3年も全く吹かずにいたらもう1オクターブの
範囲も鳴りませんでした。。

という私の経験から申し上げますと、本格的な演奏活動からは引退するほうが
いいです。(上達しないし、矯正用の奏法が身についても将来的には
何のプラスにもならない。もっとも矯正そのものに悪影響があっては
ならないので。)
でも、自分で時々軽く吹いてみて感触は忘れないでいたほうが、矯正後に
再開したときに新しいアンブシュアに順調に移行できると思います。
その点、私は3年間吹かなかったので自分の覚えていた前歯の位置感覚とは
違うところに歯が移動してしまっていたため、顎の位置、マウスピースの
位置や角度などは矯正前のスタイルでは非常に不自然になってしまいました。
自分は前歯が少しねじれて前に出ていたため、下顎を少し前に出して
上下の歯の位置を揃えて吹くスタイルが自然に身についていましたが、
矯正後は同じように顎を前に出すと前歯が矯正で前に出ていないため、
下の前歯の方が上前歯より出てしまい、上下の歯の位置が全く揃わず
とても吹けません。
でも、顎を前に出して吹くというスタイルは子供の頃に無意識的に
身についた体で覚えてしまっていることで、
矯正が終わって顎を前に出さなくてもよくなっても自分にとっては
顎を前に出さないで吹くことは非常に不自然に感じられて戸惑いがありました。
結局、また顎を前に出さないで吹く感覚が自然なことだという感覚を
自分に覚えさせていかなくてはならないと結論つけました。
今思えば新しいスタイルを模索していても、知らない間に昔のスタイルに近づいて
しまう、そしてまた修正する。この繰り返しで徐々に新しいスタイルが
身について完成してきたと思います。
自分が思うに、矯正前の楽器を吹いている時の歯の位置や、
口腔内の広さなどは無意識のところでしっかり覚えていると思います。
矯正終了後に吹き始めた時、矯正前の無意識で覚えてしまっている感覚と、
矯正後に得られるの歯並びで作られた感覚とずれを感じてしまいます。
よって私のように矯正期間中全く楽器を吹かないと
昔えられた感覚と矯正後に得られる感覚とのギャップの克服に
苦労するので、多少は鳴らしておいた方がいいと思います。

ちなみに私の場合、終了後は歯が元の位置に戻らないように
上前歯(左右犬歯間6本)の裏に矯正終了後に金属を
べったり貼り付けて連結していました。
歯の裏だから楽器を吹くには関係ないと思って大学進学後も
それを外すこともなく(2年間くらいで外せるものだそうです)
10年間つけっぱなしてした。その後歯医者の薦めで外しましたが、
意外なことに非常に高音域が楽に驚きました。
アンブシュアの形というのは自分で考える以上に微妙な
バランスの上で成り立っているようです。