re:長時間吹くためのポイント
#12501
投稿者:
やちまう (2001/06/05 15:10)
むむむ さん wrote in article #12482 > 14の特別な練習曲を練習して感じるのですが、私はタンギングをするとやたら > 口の周りの筋肉が疲れます。筋肉がすごく緊張しているのがわかります。 > スラーはまだいいのですが、連続したタンギングは相当つらいです。 対処の方法が漠然としていらっしゃるだけで、原因はご自分でもお気付きなので はないでしょうか? まず、J.B.アーバンの教本に出てくる記号「・」(スタカート)は必ずしもスタ カートではありません。「Tのシラブルで正しく発音せよ」という意味だけであ って「短く奏せ」という意味ではない場合が多いです。アーバンの時代に残って いた古い奏法を打破し、出来るだけスマートな方向へ導くためにかなり強調され ているように思います。 # ダブルもしくはトリプルタンギングをするフレーズに於いて「・」の記号が、 # まったくと言って良いほど付されていないところから、私は勝手にそういう # 解釈をしてまして、また確信もしています。 楽典などで、stacc.は「音の長さを半分に」などと記述されていることも多いと 思いますが、演奏する立場で言わせてもらえば《それは誤り》で、「楽典」的解 釈によるところでは殆どレガートになってしまうようなスタカートだって存在し ます。 私に弟子はいないので実例を沢山挙げることが出来ないのですが、、、 むむむさんような悩みをお持ちの方の音(パッセージ)を聴いてみると、ずっと arcoで吹いていたのがstaccに差し掛かった途端に突然pizzになってしまっている ようの場合が多いように思います。 # 「トランペットでpizzicato奏法が出来るワケがない!」というツッコミは無し # にして下さいね (^_^ゞ…あくまでも例えですから。 # 奏法を例えるのに弦楽器を引き合いに出すと都合がよい、というか的を得てい # る場合が多いので私はそうしてしまうのですが。 pizzicatoの場合、当たり前ですがarcoと違って「ボウイング(弓遣い)」を考え なくても良いので左手のポジションさえしっかりしていれば初心者でも可能です。 ある意味(と言ってもかなり違いますが^^;)トランペットでも同様のことが言え ます。「ぺっ!ぺっ!」と単純に短い音を出すことは容易です。故に容易い奏法 に傾いてしまうのは仕方がないことなのかもしれません。 # が、「簡単な奏法イコール楽な奏法」ではないわけでして・・・。 弦楽器でいうところのpizzにあたる奏法は普通、特に指示があった場合のみに用 います。トランペットでの前述の奏法も「悪」ではなく、そういう音が必要な際 にはその奏法を利用しますが、それ以外の場合は用いないのが普通です。 並んでいる音譜を切り離して吹く際に前述の方法だと、音が切れる度に息が推進 力を失ってしまいます。吹き直しと同じことになるのですから吹くための労力は 連続する音譜の数に比例して大きくなります。 では、どうしたらよいのか?? 言葉で簡単に言い表す事が出来たら苦労はしません。また、それを会得する方法 は十人十色なので私の方法を押し付けるわけにもいきませんし・・・。 以下、一応アプローチの一つとして簡単に書いておきます。ある人には良いかも 知れないし、ある人には毒かもしれません。 /* タンギングの連続がしんどいと感じたときは、まずそれをレガート(スラー)で 吹いてみます。恐ろしくラクであることに気付くと思います。それでもキツイ場 合はエアの使い方自体にムリがあります。息はBlowする物ではなくFlowするもの と意識すべきです。(もちろんBlowが必要なパッセージもありますが) 次に、問題のパッセージをゆっくりしたテンポで「タンギングをしているのが分 からないくらい」の切れ目の無いレガートタンギングを試みます。これでも辛く はないはずです。この時、息の使い方がレガートの時と変わらないように心がけ ます。 テンポはゆっくり、同じ息の使い方のまま、同じパッセージを先ほどよりも明確 なタンギングを心がけて吹いてみます。この時、ひとつひとつの音よりも、とに かく息の流れを重視します。決して音譜単位で唇をコントロールしようと思わな いことです。そのまま、徐々にテンポを上げていきます。 長いパッセージの場合はフレーズ単位で分割して、上記を試みます。 */ -- |