re:ラッパのうまいオケ  #12730
投稿者: ロータリーTrp1号 (2001/06/19 20:45)

 世界的に上手いといわれるオケは、どのパートも上手いです。つまり、金管は当然上手い。
 すでに出てます、CSO(シカゴ)、モントリオールの他、BPO(ベルリンフィル)、VPO(ウイーンフィル)、コンセルトヘボウ、ロンドンシンフォニー、ニューヨークフィル、ボストンシンフォニー、バイエルン放送響etc.

 後は、好みの問題。たとえば、少なくともCDなどから判断する限りにおいて、私の場合、BPOのK.グロートやM.クレッツァーなんかは上手いし、音も好きだし、吹き方や表現が大好きですね。理想的な技量があれば、基本的に、彼らのような演奏を目指すでしょう。かなり違う吹き方だけど、ニューヨークフィルのP.スミスも切れがあって良いですね。バーンスタイン指揮のニューヨークフィルのマーラーの復活、スミスの切れのある演奏すごいですよ。でも、好みはやはり力強さがありながらなおふくよかさと豊かな響きがある、BPOのグロートですね。ハイティンク指揮のマーラー復活のソロ、ffも良いけど、ppがいいですね。

 グロートやクレッツァーはBPOブラスアンサンブルなどでも聴けますし、オケでは、ハイティンク指揮のマーラーのシリーズやカラヤンまたはジュリーニ指揮の展覧会の絵などで聴けます。一番好きなのは、カラヤン指揮BPOのブルックナーやチャイコフスキーのシンフォニー(ともに1975年から1980年にかけての録音)における充実したffの響きですが。

 トピ主さんやファンの方には申し訳ないですが、シカゴのハーゼスは、吹き方があまり好きになれんのです。たとえどんなに吹けても、彼の吹き方は理想とはしません。ショルティ指揮のマーラー復活は吹き方が「えぐすぎる」感じですし、マーラーの5番(1970年盤)では、少しポップスみたい。あくまで私の好みですよ。

 ウイーンフィル、ずっと以前は技術的には不安定な気がしました。4年ほど前まで首席だったH.ガンシュはすごい奏者ですよね。彼のウイーン時代のすごい演奏は、小澤指揮のR.シュトラウスのアルプス交響曲、バーンスタイン指揮のマーラーの5番などで聴けます。今のシューなんかも上手いしすごい奏者だと思いますよ。今のウイーンは技術的にも1級品。
 でも、昔のウイーン(ホラーとかレヴォラやヴォービッシュなど)、むしろファンはたとえ技術的に多少不安定でも、昔のVPOのラッパや金管の方が好きだという人も多いのでは?つまり、技術的に、普遍的に上手いに越したことはないけど、やはり音楽は芸術なのだから、芸術としての「味」がないとね。
 
 ジャズでも、マルサリスがどんなに上手くても、M.デイヴィスやガレスビーの方が好きだという人は多いでしょう?
 
 その「味」として上手くフィットするのが、私の場合、特にグロート、クレッツァーでしょうか。逆にフィットしないのが、ハーゼス。しかしながら、多くの意味で、ハーゼスはオケのラッパ吹きの歴史上最高のスーパーマンで、空前絶後の存在であることは大いに認めますし、まあ、世界中のプロ奏者が彼には脱帽し、敬意を表する存在であると言えるでしょう。