re:粘膜奏法  #13115
投稿者: HN (2001/07/16 11:30)

唇の厚さから、「粘膜奏法」に議論が移ったようですが、私の思う所はここです。「無理せず」に、きちんと音が出たら、どうでもいいだろうそんなこと!

はっきり言って、唇の厚さは、人それぞれです。それによって、楽器のバランス、「自分に合った」サイズなどをいろいろ自分で発見していくのです。しかし、マウスピースが小さいから/唇が厚いからといって吹けない/合わないわけではないのです。ただ、自分が、演奏に何を要求しているかで、自分の道具を選ぶ必要性はあるでしょう。そして、自分の選んだ楽器、道具のバランスを知っておく必要はあるかもしれません。アメリカのコマーシャル・プレーヤーは驚くほど浅い、小さいマウスピースでいろいろ吹きます。彼らの唇のサイズもまちまちです。私の100人を超えるニューヨークでの仕事仲間を見て、一緒に仕事をしてそう思ったことです。私も、仕事柄いろいろ道具を使います。また、私は決して唇は薄くありません。使用マウスピースは、バック1 1/4C、バック3C、ラスキー60S☆(バック5サイズの口径に浅カップ)、デニス・ウィックの5E(バックの10E位の口径に、超浅カップ)など、用途に応じて使います。音域に関しては、どのマウスピースでもダブルD+位は出ます。ただ、どのような音色を自分で作るか、どう音楽を感じ、さらに自分の楽器でその理想とする音を作るか、というのは、自分の耳、そして感性で育むものです。息と振動のバランス、理想の音を作るのに、一番自然でかつバランスの取れた道具の組み合わせは、それが、奏法の完成と(用途に応じた息の使い方、たとえば、オケとリードの奏法は、コンセプト的に息の出し方とかが違うが、共通点も多い)あいまって、はじめてプレーヤーが音楽を表現できるわけです。自分のプレイの大本となるもの、(息と振動のバランス、音楽的感性)それの育成がまずは、始めでしょう。
あと、鍵は「自然さ」です。余計な負担というものは、蓄積されるのです。それをどけない限り、いくら楽器、道具を変えても無駄です。道具を変えたときに、一時的に「おっ、これはいい」という感じで、吹けることがありますね。しかし、その「自然さ」を追求せずに、ただ吹いていると、すぐに潰れます。これは、自身の内部で、演奏の礎が確立されてないからです。それは、毎日の「確立された、自身のメソッド」によって培われるものです。それは、漠然とした抽象的なイメージではなく、意識的に育成されるものです。「意識的に無意識・潜在意識をトレーニングする」、それがジェイコブズの意図したところと解釈します。

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