re:ということは、指使いは・・・??(ご確認願います)  #13146
投稿者: ヘボモンケ (2001/07/18 04:08)

クラッペンの原理は、穴を開けた開放部の位置が、その倍音列の
管内気柱共鳴の定在波の音圧が節(静圧)に近い所には影響をせず、
腹(振幅大)に近いところでは、その定在波モードが成立しなくなり
(共鳴できなくなる)、結果的に後者の倍音列の音は当たらずに、
狙った前者の倍音列のみが当たるということだと思います。

各倍音列の管内気柱共鳴の定在波のモードなんですが(これって結構
複雑なんですね。自分で計ったわけではありませんが・・・)、
入口(マウスピース側)の境界条件は粒子速度ゼロ、出口(ベル側)の
境界条件は音圧ゼロ、の高校の物理で習う片側閉端、片側開放端の定在波モード
になるようですが、この倍音列を両側開放端のモードの倍音列と同じ
ようになるように、出口側をエクスポーネンシャルホーン形状のベルにして、
音域(周波数の高低)に応じて出口側の境界条件が変わるようになっている
ようです。
で、この考え方で各倍音列の管内定在波モードを比べると、問題の7,8,9倍音
あたりのモードが、クラッペンのついている付近で、交互に腹・節・腹・・・
と変化していることを利用して、それぞれ狙った倍音列のみが残る位置(そのモード
の節)に穴を開けているのではないでしょうか。ですから、 タインのHP
に書かれている音以外にも、たまたま、その穴の位置が節に近い倍音列で
その前後の倍音列の時には腹に近くなる音であれば、なにがしかの効果が
あるように思うのですが如何でしょう?

あと、同一音で運指が違う場合でも、モンケさんがおっしゃているように、
抜き差し管を迂回してもしなくても、その他の管内の定在波モードは(若干の音程の
違いの影響などはあるものの)気本的に変わらないので、同じクラッペンの
効果が得られるのだと思います。

グロート氏も、レッスンをしていただいた時に、「ここはこれを使うと良い」
と、思いがけないところで、クラッペンを使って吹いて見せてました。
(その割には、なかなかうまく当たらなくて、何回もやってましたが・・・^_^;)

クラッペンってなかなか奥深いものがありますね。