ロマンティックというパズル  #13415
投稿者: JOE (2001/07/29 04:50)

先シーズンでやりましたが、真っ先に今回は3rdに回らせて欲しい。と頼みました。回りからは「は?本当にいいの」とか言われましたが、いかにブルックナーって下のパートにパズル性があって面白いか知っていたので結局大満足でした。1st,2nd、がトランペットとして、トランペットの役割を演じているのに対し、これの3rdは金管低音のフォロー、時に中低音のtuttiのまとめ役、リードのような役割を果たすところが幾つも出て来、2拍3連などで停滞しぎみなフレーズのリード役、影の立役者みたいなところが幾つも出てきます。よくよく回りを聞きながら、あわせながら、リードしていくというようなパズル性に富むパートは私は大好き。
1楽章に関して言えば練習番号Eの三小節目、Eからずっとトロンボーンのフォローのように聞こえるが、実は3、4小節目だけ、何故かTBがスコア上書かれていない。3番ラッパがCIS、F、GISの二拍3連を厚い音で吹きこなせないと、フレーズの薄っぺらさが直ぐに客にばれてしまう。また、260節目からは更に面白く、二拍3連がつながるところで、3rdだけが4分音符2拍分だけ、フレーズのアウフタクトとして、つながっている。このC,D,Fと続く4分2拍は難しい。
吹くことそのものではなく、回りの2拍3連にリズムを前にもっていくかのような、歯切れのいい、なおかつ自然な発音でないと、単に2拍3連に引っ張られて流されてしまっているような印象になってしまいます由。266、267は完全に3rdのソロと思います。3楽章は楽章自体が余りにも有名。基本的に3Rdだけが一匹狼になってホルンなどをサポートするからここも好き。
後、私が特に好きなところは終楽章の222小節目からHにかけるまで。リップスラーであがるところなどは、Mf、fで記載されていますが、どういう発音のMf,fであるかを考えないといけません。ここではCLが低音がかさなるので、それに溶け合うような、音で。227小節目のCISを吹き終わった後で自分としては228小節目に音の無い余韻をイメージしました。229は同じくCISから始まりますが、1小節の間自分のイメージする余韻から、再び同じCISで立ち上がってくるところを、余韻をつなぐようなイメージでやると、非常に231からのCRESCが説得力のある吹き方ができると思います。それ以後、木管と上手くHに吹ききることができるとH以降、ホルン、TBへのTUttiに結び付けられる、というか彼等を生かすことができるわけです。自分が歌うソロも良いけれども、自分が歌うことにより、誰かを生かすことができる。それが特に顕著だから私はブルックナーの下って特に好きですね。
是非次は7番をやりたいですね。私はBPOでも、あの37年ぶりにチェリビダッケがシャウシュピールハウスで振った7番が好きですね。あのテンポ!!!!前に行きそうになるとわらってタクトを手の甲で叩きながらテンポにはめさせる。そして、何より、緊張感が行き渡っていた演奏でした。実はあの演奏を聞いて、モンケを買ってしまった次第。半ば衝動買い・・・お恥ずかしい。欲を言うならば3楽章、クレッツアー氏もいいのですが、あそこは是非グロート教授にお願いしたかった。BPOに関しては特にハイティンクのPHILIPSからのマーラーシリーズで、上手く金管を鳴らせてる感心しましたが、もし、チェリビダッケが本当にBPOに腰を据えたら、もっと凄いことになるのではと思うくらいこの7番はいいものでした。
以上長々と失礼しました。トランペットのところでないとこんな話できませんからね(笑)