re:教えてください
#14713
投稿者:
1 1/2 B (2001/11/20 17:15)
見えてきました。 楽器を吹くための概念を変換しましょう。 極論すれば、楽器の練習は(ラッパに限らず)「肉体改造」です。 普段使っている筋肉の組み合わせには無い組み合わせを使ったり、 普段無意識に使う筋肉を自分の意思で動かしたり、 特定の筋肉を「強く、しなやかに、柔らかく」鍛え上げることです。 楽器の演奏、つまり音楽は芸術的文化系の行為ですが、その基礎となる音作りの作業は多分に体育会系です。 ラッパがそこそこ吹けるようになったら「はやく人間になりたーい」と願っても、もう戻れません(爆)。 まず、正しい姿勢をつくりましょう。 アンズさんは猫背になっていませんか?背筋を伸ばし、まっすぐ正面を向き、胸を開いて(注、肩を張っては駄目です。楽にして)ください。これは授業中でも食事中でもできることです。最初はつらいかもしれませんが、慣れれば(肉体改造すれば)これが「普通」になります。姿勢が良くなることで肺を有効に使えるようになります。 身体を「固定」するのではなく「静止」させるよう意識してください。 次に呼吸訓練その1です。 椅子に座ってやってもらって結構です。手の位置は腿の上でかまいません。 ・ではたっぷり息を吸いましょう。身体を拡げて廻りの空気を 全部とりこんでしまう意識でいっぱいいっぱい吸ってください。 ・吸ったら次は止めます。肩に力が入っているでしょうから楽にします。 (いっぱいの状態の息を止めておくことはつらいですが、それでも 自分の身体のどこにも力みが無いようチェックすること。) ここでも意識は「静止」です。 ・で吐きます。 ただし、吐き始めに「吐く意識」はいりません。 膨らんだ風船の口を放したときのように「勝手に空気が出て行って」くれます。 次に「出て行ってくれない空気」を練りハミガキのチューブを 握りつぶすように、おなかまわりの筋肉を使って最後まで搾り出します。 このとき肩から上(足も!)に力を入れないように。 この「吸う」「静止」「吐く」を、メトロノーム60にして4・4・8拍でくり返し訓練してください。(注、吐く息量は一定にして、8拍いっぱい使って吐き切るように) たぶん最初は2,3回繰り返すだけで頭がぼぅーっとするはずです。それでOKです。小休止をして落ち着いたらまた繰り返してください。慣れてくれば「肉体改造」が進んで5回10回できるようになります。 呼吸訓練は「その3」までありますが、この段階ではまだやりません。 次は楽器を持つ訓練です。 楽器は重いです。その重さに耐えかねて「楽器や姿勢が前傾し、脇が閉まって肘を脇腹で支える」そんな姿勢になっていませんか?楽器が不安定だと、音を真っ直ぐ伸ばせないなど影響が出ます。 基本は、楽器は左手で持ちます。 試しにマウスピースを外した楽器を左手だけで顎の高さに構えます。そのまま人差し指一本だけで楽器を持つようにしてみると、だいたいバランスがとれているはずです。楽器を支えるのは、その人差し指の付け根のあたりで、マウスピースの重さの分は左の手のひら全体で持つと意識してください。 右手で注意することはピストンのボタンに三本の指先を常に触れさせておくことです。浮いていると、指を動かす距離が長くなるので、それだけ速いフレーズが出来なくなります。手のひらの中は、軽く卵をつかむ感じで。 肘と脇腹の間を握りこぶし1つ2つ分開け、そしてここでも楽器は「固定」ではなく「静止」させるように。上手い人は楽器の持ち方だけで「様に」なっています。腕力をつけましょう。 お待たせしました。楽器を口にあてましょう。 アンズさんは楽器を下のほうからあてていませんか? (極端にたとえるならクラリネットの様に) そして下の歯が上の歯よりずいぶん後ろに位置していませんか? こうすると唇の内側の柔らかいところが出てきて振動してしまいます。 ラッパを吹く唇は十分にほぐれていないと音が出ないので、ラッパを吹き始めたばかりの人は手っ取り早くこの内側の柔らかいところで吹いてしまいがちです。ですがこのポイントは筋肉で出来ていないのでコントロールがしづらく(特に高音域において)、耐久力もあまり鍛えることができません。 ではどうすればいいのか・・の話になります。 先に「少し唇を巻き込む感じ」と述べましたが、これが正しい表現ではありません 。というよりアンブシュアの説明は言葉ではなかなか難しく、しかも伝える方も聞く方も「個人差」を考慮しなければなりません。 ほかに「唇を軽く閉じて、唇を歯にぴったりとつけるようにし、両端を結び、真ん中を柔らかく」などと説明できます。 下記の説明は口の形作りの一方法として参考にして下さい。 ・アンブシュアを見るための鏡を用意します。 私はレッスン用に100円ショップで手鏡を買いました。 ・志村けんの「アイーン」の口をします。(もうこの時点で唇の内側の 柔らかい部分は表面上は見えなくなります。) ・そのままだと下あごが前に出過ぎているので、唇の緊張は保ったまま 下あごを移動させ、上下の前歯が揃うか、下の歯がほんのちょっとだけ後ろに 来るようにします。上下の歯の隙間はほんの2mm位です。 ・唇の真ん中をやさしく閉じます。この時、唇の左右への引っ張りを解き、 両端を閉じる緊張を少し加えます。 以上です。参考になりましたでしょうか? 次に楽器をあてるのですが、まず ・楽器の角度は水平からややベルが下がる程度。 ・マウスピースの上下の位置は前述しています。 ・マウスピースの左右の位置は最初は真ん中から「始めて」ください。 歯並びや筋肉のつき方が左右対称の人だったら真ん中でOKですが、 そうでない人がほとんどでしょう。練習を重ねるうち、一番負担の無い 一番いい響きが出るポジションに変わっていくと思います。そこが ベストポジションです。私はやや右にずれています。 さあ、息を(音ではない)出しましょう。 たっぷり息を吸い、楽器を静かにあて、穏やかな長い息を出しましょう。 まず最初から音は出ませんが、それでOKです。口の筋肉の力を入れる方向をちょっと変えてみたり、シラブルを変化させ息のスピードを若干変えるなどして、楽に「音が鳴ってくれる」ところを探します。 鳴り始めてもかすれた音しかでませんが、そのポイントに無理なく息を吹き込みロングトーンを続けていけば、そのうち唇もほぐれてきて(肉体改造)良い響きになってきます。 ひとまずこれで。 つづく・・・・のか? 奏法の見直しは、時間と集中力がかかります。無理もできないので合奏練習を少しの間お休みさせてもらって、自分の練習メニューをやっていた方がいいかもしれません。そのあたりは顧問の先生と相談してください。決めるのはアンズさんしだいです。 |