マーラーのB-F  #15071
投稿者: nue (2001/12/17 04:21)

マーラーの楽譜のBとFの指定って、悩むとこですよね。

>マーラーは、B管については今の「ピッコロ」のような存在というように認識

というのは極端な例えなのかもしれませんが、少なくとも明らかな音色の違いを
意識していたのは間違いないですよね。第2交響曲まではinFでしか書いていない
トランペットを、中期以後の交響曲では非常に神経質なまでにBとFで楽譜上で
分けて指定してますよね。
 時代的にちょうどヨーロッパのオケで短いB管が普及しはじめたころですし、
指揮者として楽器の扱いに精通していたマーラーのことですから、特に「B管で」
という指定には特別な意味があるんだと思うんです。つまり、F管が基本の音色で、
B管が特殊楽器、という位置付けなのは間違いないと。しかし、

>即ち、Fのフレーズはやや深めの音で、Bのフレーズは輝かしく、と

というふうに割り切ってしまうだけで良いのだろうか、というのが私の悩みです。
例えば有名な5番の葬送行進曲では楽章のほとんどがB管で指定されていますが、
これを「輝かしく」と考えてはたして良いものか?
 むしろ重々しく暗い響きがふさわしい冒頭のファンファーレがなぜB指定なの
でしょうか。もしかしたらB管のほうがより「軍隊ラッパ」らしいから?
でも、じゃあそれはいったいどういう音色なんでしょう?

 他にもさりげない小ワザで、F指定の1番奏者のメロディに、B指定の3番奏者
がオクターブ下で合わせる、というのもしばしば見かけます。わざわざF指定の
2番奏者を休ませて、音域でも下に限界のあるB管にわざわざ下を吹かせている
からには何か意味があるはずです。

音域的にはどちらも同じ範囲を要求していますから、(6番での最高音CisはF管
指定)同じ楽器のソプラノとアルトという位置付けではないですよね。

実際には我々がF管を使ってマーラーを演奏する機会はまずありえないわけです
し、むしろマーラーが主観的に「どういう音色の違いを意識していたのか」が一番
知りたいところです。試しにF管を吹いて見れば明らかにわかるような違いなんで
しょうか?

 非常に無責任な「?」だらけのレスになってしまいましたが、昔からの疑問なんですよ。
どうか、どなたか、明快な解釈や文献のありかをご教示いただけないでしょうか・・・