re:ロータリーについて教えてください  #18311
投稿者: nue (2002/12/12 22:59)

rinさんはじめまして。
私もそんなに詳しくはないのですが、少しだけ・・・

よく言われる分類には「ヘッケルタイプ」「モンケタイプ」という
分け方があります。
言葉で違いを説明するのは難しいですが、ごくおおざっぱに言うと
ヘッケルタイプは響きの繊細さ、モンケタイプは鳴りの豪快さ、が身上でしょうか。
ちなみに「ヘッケル」は前世紀のドレスデンの名匠の名前、
「モンケ」は今世紀のドイツの名匠の名前です。
とはいっても、オリジナルのヘッケルやモンケは今日びなかなか良い状態の楽器が
出回らないので、ここでは代表選手としての代名詞みたいなものだと思ってください。
モンケはドイツ管トランペットの中ではむしろ特殊なタイプだと思うのですが、
全盛期のベルリンフィルがこの楽器で統一していたので、ドイツ管の代表の
ように思われています。
 それぞれ形も細部でかなり違います。
モンケはベルと本体をつなぐ支柱が多く、クランツ(ベル端の当てがね)の無い
大きなベルで、すぐに見分けられます。
ヘッケルの流れの楽器は、1番管の向きが手前がわに曲がっていること、クランツ
付きのベル(ただし、ウィーン方面の楽器はクランツが無い)、ベルの支柱が
少なく、オリジナルを模したものは指かけのわきにS字の飾り支柱があるなどの特徴があります。
(ヤマハのラボモデルなども、おおむね上記の外見上の特徴を備えています)

とはいえ、現在いろんなマイスターが作っている楽器はかならずしもどちらか
に分類できる、というものではなく、むしろそれぞれ個性があるものと思った
ほうがよいでしょう。

前述したように、モンケはベルリンフィルで使われていましたが、前の主席の
グロート氏はレヒナー(ウィーンのメーカー)を使用していました。
ウィーンフィルはずっとレヒナーだったようですが、最近はシャーゲルも
使っているそうです。ドレスデンではマイヤー(ヘッケルの孫弟子)や
リコキューンなどが使われていると聞いたことがあります。
(・・・・このへんの情報は私はあまり詳しくありません。間違いもあるかも)

日本で入手できる楽器で、一番容易に入手できるのはやっぱりヤマハでしょう。
他にお手ごろな値段ではシェルツァー、ウィレンベルグ、ペーター、リコキューンあたり?
ガンターは一時人気があったようですが、マイスターが亡くなってしまった
そうで、見かけなくなりました。
モンケも先代が居なくなってからは往時の栄光が感じられなくなっていました
が、どうやら新しいモンケのマイスターは先代とは別のタイプの楽器を
作っているらしく、今後に注目かもです。
レヒナーはオールマイティな楽器です。楽に鳴らせて素晴らしい音がします。
(でも、あまりにお値段高い・・・)
シャーゲルはレヒナーをいっそう華やかにしたような素晴らしい音がします。
(でも、これも高いんだよなぁ・・)
タインはあまり日本に入ってきてませんが、古いモンケに近い素晴らしい楽器を
作っているそうです。

なんだかとりとめのないレスになりましたが、
とにかくいろんな楽器を試し吹きしてみるのが一番良いです。
関西方面の楽器屋さんのことはあまり知らないのですが、大きな
管楽器売り場のあるところなら何本かは試せるでしょうから、
ぜひ良い買い物をしていただきたいものです。

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