re:上の歯と下の歯の隙間  #18805
投稿者: tky (2003/02/07 19:17)

なるほど、なるほど、なんとなく、なぞが解けてきました。

このURLの対談、読んでみました。
シラブルに関して(舌は上下ではなく、前後に、舌先でシラブルを作る)は、
まさにその通り、良いお話です。

ただ、歯の間に話に関しては誤解を生みやすい対談です。

この対談では、「閉じる」と「開く」で語られていますが、
私の指摘しているのは、「大きく開く」のではなく、「すこし開く」です。
ここの対談に出ている実験を、閉じてと開いてではなく、
「少し開いて」と「大きく開いて」で比べてみてください。

歯間を完全に閉じた場合は、極端にグリップ力が小さいですが、
少し開いた場合と、大きく開いた場合では、差が無いはずです。

さらに大きく開くとグリップ力が一気に増しますが、それはくちびるを、
歯が挟んでグリップしています。唇を巻きこむ状態のはずです。
このアンブシュアになると、種々の弊害がでます。

この方法で巻きこまないアンブシュアにするには、
スーパーチョップスの舌の位置(歯の前に出す)が必須になります。
よって、歯の間を大きく開ける奏法は、スーパーチョップスという
システムがあって、初めてバランス良く機能するのではないでしょうか。

そう言う意味で、大きな歯間の方法は、スーパーチョップスから切り離して
考えるのは、危険かもしれません。
(マジオのペダルを、呼吸やアパチュア等のシステムと切り離して練習すると
皆調子を崩すように、システムから部分を切り離すのは、往々にして
危険を伴うものです。)

スーパーチョップスは、ハイノートを出すには非常に合理的だと思います。
ただ、ファーガソンのようには吹けても、クラークテリーのように
吹くためには、弊害になる部分もあります。

「タンギングのクオリティ」と表現したのは、そう言う意味です。

ハイノートプレーヤーや、一楽団員として、問題無い、満足のいく
クオリティは可能だけど、種々の微妙なニュアンスをもう自由自在に
表現するようなタンギングのポテンシャルを、
犠牲にしているという意味です。

もちろん、どんな一流プレーヤーでも、自分のスタイルに合わせて、
ある部分は犠牲にしたりしています。

ですので、

・プレースタイル、目指すもので、方法を選ぶ、使い分ける。
・但し、システムの一部分だけを独立して取り上げるのは、
危険を伴う場合が多いので、注意する。

という事がいえるんでしょうね。