re:ＭＰ径とアンブシュアの発達について 　＃20231
投稿者： ハセス　(2003/07/04 22:03)
>先日、ＢａｃｈのＭＰについてのサイトを見ていた所、>以下のような記述がありました。
>A large mouthpiece will not permit a player to "jam" the high tones
>by using excessive lip pressure, training the lip muscles to do the >work. The embouchure will soon adjust itself automatically to the >correct position. Students starting with a large mouthpiece generally >develop both a beautiful tone and an excellent high register.
これは唇の筋肉を鍛えるために大きいカップのマウスピースを使えとは
言っていません。
>A large mouthpiece will not permit a player to "jam" the high tones
>by using excessive lip pressure, training the lip muscles to do the >work.
”training”以降は前の節の結果ではなく付帯でしょう。このあたりは以降の誤解が無いように配慮されているように思えます。
要は小さい径のマウスピースでアンブシュアを作れない（筋肉の未発達
によって）人が大きい径のマウスピースを使っても確かに"jam"で息が
詰まることは無いですが、カップの中では"jam"の状態で変わり
はありません。

>確かに、Bachの７から５、３、>そして１半というふうにＭＰを大き目にしてこられた方は非常に多いように
>見受けられます。
これで成功している人はサイズの小さいMPは吹きこなせていてそれでいて
より響きを豊かにしたいという人でしょう。

>この「大きめ＝アンブシュア及び筋肉発達」が真実であるとしたならば
「小きめ＝アンブシュア及び筋肉が発達」
これも真実です。（特に初心者）
「大きめ＝アンブシュア及び筋肉発達」
あくまで、大きめのMPを使える最低限のアンブシュアの完成度と
筋肉を持ち合わせている人にとってある程度の大きさまで当てはまります。

>私が疑問に思うのは：
>１：どれほどのサイズを以って「大きめ」とするか？
>２：そしてどこからが「大きすぎ」になるのか？
>です。

それは人によりそれぞれでしょう。大きいMPの方が実力を充分に
発揮できる人もいれば、小さいMPが得意な人もいます。アメリカの
メジャーオケでも５Cの人もいれば１C以上の人もいます。
Tb奏者のミッシェル・ベッケ氏がパイパース誌のインタビューで、
「大きすぎるマウスピースを使っている人は音が前に行かなくて
モワっとしている。」と言っています。国際コンクールでの話しなので
レベルが高いで次元ですが、ある意味だれにでも当てはまるでしょう。
それは結構吹きこなしていて音楽的なレベルの話ですが、一般的に
演奏上「キツイ」と感じていれば間違いなく大きすぎです。

>練習によって筋肉が発達したらバテにくくなるというのであれば、>むしろ日々の練習ではあえて大きめのＭＰで鍛練すべき
>ではないかと思うのです。
それはある意味正解です。ただし、あくまで自分のアンブシュアを
崩さない、ばて過ぎないことが前提です。
これはあくまで一時的な練習であって、主としては普段のMPを使わないと
アンブシュアが正しく発達しません。

>Students starting with a large mouthpiece generally develop both a >beautiful tone and an excellent high register.
>この理屈がまかり通るのはどこまでなのでしょうか？普通に考えると、

そんなわけありません。最初のセンテンスを誤解するとそういう解釈をして
しまいますが、
",training the lip muscles to do the work."とあるとおり、
土台の筋力が出来ている人（基礎が出来ている人）がさらに響きを豊かに
しさらに筋力が鍛えられるということでしょう。
挙げられたBachによる説明は初心者レベルの人を対象とした内容では
ないと思います。よって、

>小学生にシルキーの２４（18.29mm）を与えるのは無茶なように思えますが、>本当に無茶でしょうか？
これは無茶です。吹けるようにはなるでしょうが上手くなりません。
元シカゴ響のアドルフハーセス氏も交通事故で唇とアゴを怪我する前までは
バックの７Cだったそうです。

マウスピースが大きいほうがいいか否かについては賛否両論あって、
必ずしも皆が皆MPのサイズアップを目指す必要は無いと私個人は思ってます。