ヒンデミットのソナタ
#21248
投稿者:
やちまう (2003/10/29 15:02)
作品的にニヒルで冷徹、無味といった感じがするかもしれませんが、実際にはそうではありません。 「言葉に出来ない気持ち」があるように「音符に出来ない思念」が曲の中で渦を巻いています。 この曲が作られた前後の時代背景、そして作曲家ヒンデミット自身の境遇、 そういったものを知っていると、とてもじゃないですが脳天気には吹けません。 # まぁ、第3楽章が「葬送曲〜“人はすべて死すべきものなり※”」ですから、 # 脳天気に吹く人はいないでしょうけど…。 # ※J.S.Bach BWV 1117 の引用 例えばGoogleなどの検索サイトで「ヒンデミット事件」をキーワードに調べてみて下さい。 沢山ヒットすると思いますので目を通してみてはいかがでしょうか。 with you さん wrote in article #21245 > やるとしたらどのようなポイントに注意して吹けば良いでしょうか? ヒンデミットのソナタで要求される技術は基本的なものだけです。 奏法的な難しさはこの曲にはあまり無いと思います。が… ヒンデミット自身が「この曲は同じ変ロ調のクラリネット、あるいはトランペットと同じ音域を持つ 他の楽器(オーボエ・ヴァイオリン・ヴィオラ)で演奏しても良い。」と言っています。 これは裏を返せば「トランペットという楽器だけの観念で吹かないで欲しい」だと感じてしまう私は 考え過ぎなのでしょうか? 厳格なリズムを守って吹くことはもちろん必須ですが、フレーズの浮き沈み等もしっかり自分なりに 考えて取り組んで下さい。また、トランペットだけではなく他の楽器(管楽器に限らず)のソナタや 管弦楽、室内楽の作品を聴いてみるといろいろ参考になるかもしれません。 -- やちまう ymch@din.or.jp http://www.din.or.jp/~ymch/trp/ |