re:何故移調楽器をつかう??  #22258
投稿者: ハセス (2004/02/21 00:02)

トランペットのB管が標準的に使用されるようになった経緯は、バルブが
発明されてその昔のナチュラルトランペットの管の長さが必要なくなった
ことと、響きや音程のバランスが最も整合の取れる管長でB管が普及した
のかなと思います。実際他の移調楽器を吹いてみるとわかるのですが、
B管よりも管が短い楽器ほど音程のバランスが難しいし、B管より管の長い
F管なんてコントロールが非常に難しく感じます。
また、楽器の調性は音色にも大きな違いを生じます。
これも移調楽器が用いられる理由の一つになると思います。
オーケストラではC管も多く使われますが、イギリスのオケはB管を
伝統的に使用しています。これは金管の響きを気品のある落ち着いた響き
を重視する伝統があるようです。ドイツのベルリンフィルは主席奏者はC管、
2nd以下はB管(昔は全員B管)ロータリー、ウイーンフィルは全員C管ロータ
リー、など結構国によってオケによって異なる伝統があり、それによってC管
とB管の使い方が違いますね。
オケでも昔はB管一本やりだったのが、C管が普及しだした歴史がありますが、
C管の方が管が短い分高音域のアタックが正確になり、また音色が明るいので、
大編成のオケでもよく音が通る(音が立つなんて言います)ことから普及
したようです。またフィンガリングもB管で難しい曲もC管だと非常に簡単に
なるケースもあります。 
オケでやる曲は調がB(in B)なのはあまりお目にかかることがなく、
曲の中でも例えばin Aからin Bに変わることも珍しくありません。
理由はkuroさんの言うとおりとも思いますが、ある本には作曲者の癖とも
書かれており、特に決まった理由は無いようです。