re:何Durだと簡単?  #22274
投稿者: yoshihiko (2004/02/24 08:45)

僕もアンサンブルの楽譜のアレンジを多くしたので同じような悩みがありました。
ピアノスコアにもう曲の骨組みが出来上がっているなら、
まず問題になるのは割り当てる楽器の音域、特性(音域、機能性、得意分野)ではないでしょうか。

分かりやすくラッパでいうと、例えば最高音がDの場合、オクターブ上げても良いんですけど美しくなるかどうかは奏者によるし、吹奏楽で一般的(よくみるっちゃあ見ますけど)ではないですよね?そういう場合は最高音を(曲の雰囲気やフレーズの形で多種の選択肢はありますが)たとえば僕ならAあたりに持っていけるように移調します。
それでもしその結果がめっちゃややこしい調になってしまうなら(調号がめっちゃ多いとか)奏者のレベルを考えて半音もしくは一音どちらかにずらすでしょうね。少なくともどちらかに一音ずらせば確実に調号が2つ減りますよね。楽器と調によっては難しくなることもあるので全体を見ながらやらないと奏者が辛いですけど。

違うアプローチとしては他に、音形を変える、とか伴奏などは和音を転回すれば音域はクリアするし、その楽器にとってしんどいかどうかなど特性を知っていれば曲想を作る助けになりますよね。
例えば同じドミソでも、オクターブ違えば明るかったり、少し沈んで聞こえたり、同じ音量でも聞こえ方は違うし。
ただご存知と思うのですが(このレスを読んでいる音楽に若い方のために書きます{自分も全然若ぞうなんですけどまぁ中学生の方とかのために一応書きます})音楽は学問として成り立って長いものですからもちろん和声上にルールがありますよね。(それは結果的に美しく聞かせるためのものなのでルールというよりは「いい曲」への近道というか歴史の産物というか、でもまぁ要するに「禁じ手=やってはいけないこと」も存在しますよね。)
メロディを変えるのは難しくても、合いの手や打ち込みは比較的容易に変えられるのではないでしょうか(それも時と場合によりますが{例えばどうしても入れたいリフがある、とかまたはジャンルの違いとかでリズムパターンが無限なわけではないですよね、やっぱそういう時は難しいです。})?
それも楽器の特性を見て(例えば学生レベルで木管楽器に速いテンポで16部音符でソソソソソ!ていれても恐らく舌は回らないでしょう。TB奏者に16分で連譜で長いフレーズは難しいし。木管は速い音形は可能ですがダブルタンギングは一般的に使わないのでアーバンみたいなものは吹きにくい、とか)考えるべきです。
いくつかフレーズの候補を作り、楽譜を各楽器に奏者に見てもらってどこまで可能か聞いて回るのもいい勉強ですよね。

あと移調の場合、移調楽器が多くあるので気をつけないと、ラッパ(B)でフラット3つでもCの楽器の人は5つですから、調号の数には気をつけましょう。(うまい人には逆に難しくしてやっても面白いかもですね・僕は簡単なほうがいいですけど笑)

なぜ吹奏楽オリジナルの低いグレードの曲はEsDurが多いかというと、そういうことなのでしょうね。調性(指の難度や調号の数・・・)もさることながら花形であるラッパでB、Gという美しい音が鳴らしやすい音が3,5音にくるんですから、効果も大きいですよね。

書き込みにあるようにすでに難しい曲になっているのでも、奏者のレベルによって簡単にするのは容易です。
曲というのは和声音とそうでないものがあるのです。そうでないものとはつまり、係留音や先行音など和音的に効果のあるものもあるけども、装飾的なものも多いと思います(経過音など)。その装飾部分を減らせば楽譜はもっと白くできるでしょう。
同じく、リズムも、同じ音を使いつつリズムを変えてやればどれだけでも簡単になります。もちろん演奏するからには音楽的効果を生まないといけないし、Masayoshiさんの頭の中にある音楽というものとのバランスの難しいところですけれどもね。
そのあたりも、奏者とのバランスですよね。
僕は大抵自分のために書くのでメンバーは分かってるし、だからメンバーのレベルを頭に入れて難度を変えます。
去年やったときはレベル低いメンツだったしお金ももらっていたので完成度を求めて難度はやさしめだったし、今は学校の授業で吹くやつなのでむずかしめに書いてたり・・・。結局はラッパ(というか自分が)が一番おいしく吹ける様に書いちゃいますよね、まぁそれも他のメンバーより時間割いてるんだからそのくらいやらせてよって感じですよね。
アレンジャー・コンポーザーの特権ですね。笑