re:喉を開ける  #22630
投稿者: けし (2004/04/16 23:53)

喉をあけるというのは、解剖学的(?)にいうと、「声門を狭める」ということです。
 人の喉頭(のどぼとけ)には声帯というひだのようなものがあって、これが震えて声が出ています。声を出すときには左右にある声帯の幅が狭まって、トランペットにおける唇のように振動するのです。普通に息をするときは声帯の間隙(これを声門といいます)が大きく開いて、空気が通ります。
 で、トランペットを吹くときにこの声門はどうなっているかというと、狭められている、すなわち声を出しているときと近い状態になっているわけです。なんでわかっているかというと、耳鼻科のお医者さんで鼻から内視鏡を入れて楽器を吹いているときの声帯の状態を観察した人がいて、論文にもなっているんですね。初級者は声門は開いていて、上手くなるほど声門は狭いらしいのです。しかもこれは、金管、木管、リコーダーや尺八にも共通の傾向なのです。面白いでしょ。
 でも声帯の動きやそこを通る気流に対する知覚はないので、声帯を狭めようとイメージすることはおそらく有効でなく、藤井先生のいう「ベルカント奏法」のようなイメージ作りが有効なのだろうなと思います。
 声を出すときにのどぼとけを触ってみると、声を出すときに下に下がると思います。このとき正確な言い方ではないけれども喉頭は前後に開いて声門は狭くなるのです。こののどぼとけが下がっていて、声が出そうな状態が「喉が開いている」と言われる状態です。
 これに関連して、僕なんかはバンドの練習が終わったとき、ファルセットがすごく出やすくなっています。スペクトラムってただEWFの真似というだけじゃなくて、ラッパ吹きにはああいう歌い方が気持ちよかったりするんだよなあとも思います。ファルセットの練習がハイノートのコツにつながるかもしれないなんて思ったりもするんですけど、いかがでしょう?