re:癖が・・・  #22936
投稿者: 29L (2004/05/29 01:03)

本来奏法についてネットで話すのは誤解を招きやすいので自重しているのですが、私もtakさんと似た経験があるので、お役に立てればと思い、キーボードを叩いています。まずなぜ「高音を吹くと下唇が上の歯に当たってしまう」のか良く考えるべきです。下の唇が上の歯に当たるには、1.高音になるにつれて下あごを後ろに引き込んでいる。2.高音になるにつれて下唇を口の中に巻き込んでいる。3.もともと下唇を巻き込んだセッティングで中低音を吹いており、高音時に唇を上下方向に締め込んでいる。のどれかで発生します。1について奏法を確認する場合、上下の唇へのマウスピースの圧力分布が変わらないことを確認しながら、高音と低音吹奏時のラッパの傾きを鏡で見てください。高音を吹いたとき極端に楽器の角度が下を向くようであれば、顎の位置が変わっています。この様な場合、基本的には下あごの位置が極端に変わらない奏法に変えていくことが望ましいです。ただし、このセッティングを取る人はあまり見かけないように思います。2と3の症状は実はほとんど同じ原因で発生します。つまり「唇とその周辺の筋力で高音を吹こう」と考えている人が陥りやすいように思います。唇のコントロールはラッパを吹く際重要な要素ですが、これだけではラッパはちゃんと鳴りません。こういう間違った意識を持つと、主に振動する唇は上唇なので、振動を保持する土台として下唇を巻き込んでしまい勝ちです。またこうなると上唇が下唇に被さるような動きが発生するはずです。すると主振動元の上唇が硬くなってしまい、貧相で硬い高音しか出なくなります。しかし唇の筋力は名人であろうが初心者であろうが極端には変わりません。唇の筋肉が疲れるばかりで高音低音を自由に出すための唇の柔軟性が失われてしまいます。つまり唇の筋力を当てにして高音を出そうとすると「筋力で吹く→すぐ疲れて高音が出なくなる→又筋力で吹く→更に疲れて吹けなくなる」というの悪循環に陥り疲れ易くなります。現代の演奏理論では「息の使い方(体内の息の圧力)」と「歌うような音程イメージ」のコントロールがより重要で、唇は「自然」に上下が合わさった状態で吹く奏法の方が無理が無いと考えられています。このBBSでヒントを得るのも大変結構ですが、ぜひ一度プロのプレイヤーに奏法を見てもらうことをお勧めします。また副読本として、藤井完先生著の「朝練」と言う本があります。このBBSでもお薦めの本のようですので、ぜひご一読下さい。この様なアドバイスでお役に立てれば幸いです。では