re:唇にMPを押し付けることについて  #24213
投稿者: サイトウ (2004/11/07 09:48)

はじめまして サイトウと申します。
高い音を出すときマウスピースを唇に押し付けるのは、高い周波数で唇を振動させるために唇と周りの運動だけでは振動を変えられない為に、それを助ける意味でプレスする、そういうことだと思います。これは、初心者には高い音は唇を締め付けないと出せないと考えられているので、ある意味当然だと思います。貴方だけの問題ではないのです。
でも、実は高い音を出すコツは、上下の唇を適度に緩めて唇の隙間から息を通す際に起こる空気の振動をコントロールすることではないかと思います。
別の言い方をすれば、声の発声と同じで、普通の声で低い音から高い音に移行する際、普通の声で発声できる高音域には限界があるので、ある音域以上になると裏声(ファルセット)に切り替えますね。その際、普通の声から裏声にする時、それまで声帯を絞ってきた状態から急に楽な状態に戻すような感じがあると思います。
それと同じで、トランペットの発音でも、声帯と同じようなことが出来ると、楽に高音域が発音できるわけです。B♭管で第5線のFあたりから上の音域に移行するとき、ファルセットのコツを知っているとマウスピースへのプレス無しに(つまり、唇の締め付け無しに)高音域に上がっていけるのですね。
ただ、いわゆる「粘膜奏法」に陥っている状態(発声で言えば地声での発音)では、ファルセットの状態を作りにくいのでマウスピースのセッティング自体を変える必要があるかもしれません。この辺は、実際に吹いている所を見ないとなんとも言えません。
ファルセットを実感するためには、リップスラーで中音域から高音域に跳躍する練習が有効です。また、いきなりハイB♭やその下のA♭をリラックスした唇で発音できる状態を探ってみるのもいいかもしれません。
いずれにしても、このコツがつかめたら唇の締め付けやマウスピースへのプレス無しに楽に高い音が出せます。しかも、響きが良く遠鳴りのする豊かで大きい音が出せるようになるでしょう。ご自分の唇と相談しながらやってみてください。