re:楽器の寿命の原因は?  #26291
投稿者: Kuta (2006/02/09 23:03)

たけしさんと私はキャリア的には同じでしょうかね。
私も今年でTp暦25年になります。その経験から私なりの考えを
述べさせていただきますが、あくまで私見です。
@皆さんは何処で楽器の寿命を判断していますか?
まずバルブですね。これが信用できなくなると不安で
本番では使えなくなります。これで'83年冬に買ったHolton T101は
本番での使用は'95年に引退させました。
(今もたまに気分転換に使うけど)
それ以来B管はBach 180MLですが、バルブと3番抜差管の
磨耗には注意しているので10年が過ぎた今でも問題ないです。

A何年使って寿命が来たと感じましたか?(楽器の機種も教えてください)
年数で一概に判断したこと無いですね。
判断基準はやはり機械的磨耗かな。
1970年製の使い込まれたロータリーTpを持っていますが、
響きは全く問題ないです。
確かに10年経過したバックは抵抗も少ないし、響きも開き気味ですが、
自分のコントロールし易い楽器になっており不満に思ったことは
無いです。
抵抗感や抜けなんてマウスピースのスロートとバックボアと質量の
組み合わせを替えると全く別物のように変わるので、何でも楽器本体の
せいには出来ません。
第一線のプロでも20年以上同じ楽器でやっている人もいれば1年位
で寿命として替えてしまう人もいるようなので、判断基準は
人によりけりでしょうね。

B寿命の原因は金属組織の配列が吹き込んでいくと揃ってしまうのが原因と
 まことしやかに、言われていますが、金属の性質上、常温で人間が与える
 振動くらいで金属組織の配列が変化するとは考えにくいです。
 本当なんでしょうか?メッキやラッカーが剥がれたのが原因だったりしま せんか?どうお考えですか? 

 金属結晶の配列が変化するのはヤマハの技術者によると本当のようです。
 エントロピーの法則で金属分子の結合は楽な方へ手を繋ぎ変えていく
 (と説明していた)そうで、振動は熱をかけているのと同じだそうです。
 私が思うに、音が鳴っているときの楽器の振動って決して小さくはない
 と思います。
 メッキやラッカーの剥げは殆ど無くなってしまわない限り関係ないでしょうね。
 質量は殆ど変わらないから。

Cメッキ掛けたら元に戻った経験をお持ちですか?
 ありません。が、同じオケのホルンの人が、ノーラッカーのものを
 銀メッキを施したのですが、音色は明らかに引き締まりました。
 

 以前シカゴ響が来日したときにシカゴの生音を聞きましたが、
 あのエネルギー密度の高いフォーカスの効いた響きにはたまげましたね。
 あれだけのサウンドを一直線に前に飛ばすポテンシャルはBachには
 あるのに、自分のパワーで楽器がどうのというのはちょっとナメてた
 なと思いました。
 ご参考まで。