re:上達しません。。。  #26607
投稿者: Bフラット (2006/05/04 16:38)

>上達のためにした努力が堂々巡りのようで成果が出ないのです。

Tp演奏が裏目に出ているということでしょうか。裏と表の距離は、まさに紙一重です。
表目を自己のものとするには原理、原則に対するコンセプトが必要ではないでしょうか?
トランペットの理想は最小のエネルギーで最大の効果を得るスタイル(奏法)の確立です。
ほんのわずかの呼気でも楽器が反応し、心地よく響き、軽快に長時間の練習と演奏ができる体制の獲得ともいえます。
そうなれば自ずと理想とする音色も柔軟性も持久力もつき、向かうところ敵なしのトランペット演奏になるといえます。

原理的には送風器(肺・横隔膜)、送風量調整器(喉頭・咽喉・舌)、振動弁(唇)、増幅器(MP・楽器)とすれば、リード(唇)を0点にA:奏者側(呼吸器系、内管の気圧、陰圧)とB:道具側(MP+楽器本体、外管の気圧、大気圧)のバランスをとれる演奏生理の総体ということであり、演奏エネルギー量がA=3(例:低音域)のときには、Bも3が理想であり。A=5(高音域)のときは、Bも5でなければ、リードは最高のバランス状態とはならないといえます。
A:Bのバランスが均等にとれるように演奏しているときは、リードは軽快でほとんど疲れないということになり、それは天秤棒や秋田の竿燈祭りのイメージと似ています。逆に少しでもバランスが崩れてきたら直ぐに倒れる、疲れる、バテるということにもなります。
AとBという内管と外管の気圧(物理では放射と反射という)がつりあう点がリード(唇)であり、繊細で高度なリードのバランス感覚を得るためには演奏軸になるMPのセッテングポイントを獲得、鍛錬し、不動のものとして確立することが第一に重要で、次にカップ径とリム形、スロートなどのMP選択が重要な要素になってくると思います。

原則的には@アンブシュアの確立、AMPの選択、B楽器本体の選定という三原則が三位一体のバランスをもって研究され、練習法も含めて体得することであり、どれか一つでもおろそかにされたら最小のエネルギーで最大の効果を得る演奏(理想とする音色、柔軟性、持久力)の獲得は不可能になると思います。特に@とAの相互関係は決定的ともいえます。
Tp演奏では自己満足で何十年?という不毛の世界(上達のためにした努力が堂々巡りのようで成果が出ない)に足を踏み入れる前に、原理、原則に立ちかえることです。この土台によってのみ近い将来、軽快で安定したパフォーマンスが実現可能になる道が開かれていくと思います。