re:抜いても抜いても...  #26869
投稿者: サイトウ (2006/07/17 21:32)

私もそうでしたが,常に上ずった音程になる人は開いたアンブシュア(いわゆる粘膜吹き)で,唇の中心部を硬くして無理に振動を起こそうとする発音方法の人が多いのではないかと思います。響きのない暗い音質で,いくら強く吹いても音が前に飛んでいかない,そんな感じではありませんか。もしそうならこれは結構根本的な問題で,おいそれとは解決できないと思いますので,一度専門家に見てもらわれたほうがいいと思います。すべてをここで説明することはできませんが,ヒントとしては,管楽器は気流が唇やリードを軽やかに振動させることによって発音するものですから,軽やかな振動が得られる状態を作る必要があります。そのためには気流によく反応する唇である必要があり,それにはゆったりとした柔らかい唇であることが大切です。力を入れて唇を締め付けてはいけないのです。上の音でも下の音でも同じです。でも「柔らかい唇」=粘膜振動ということではありません。唇の比較的外側をゆったり閉じてそこに息を通すことによって皮膚振動が起こる状態が目指すところです。それから,感覚的な言い方ですが「唇を振動させようとする」のではなく息の流れで振動が引き起こされる,または「音を当てる」のではなく「音に当たる」,そんな感覚を掴めるといいのですが。
このような吹き方をつかめれば,楽器本来の持つ明るくて響きのある音が出ているはずですし,そのときには楽器の本来の音程になっているはずです。一度ご自分の吹き方をチェックしてみてください。