re:タンギング  #27627
投稿者: やちまう (2007/06/23 19:12)

§二律背反

タンギングの練習は、いきなり「音を刻む」よりも、
最初は『並んでいる音をつなげる』ことに留意した方がうまくゆきます。

つまり、staccatoではなくてlegatoから練習します。

音を切るというよりも、流れを阻害せずに『くぼみ』を付ける程度のつもりで
音が均等に並ぶことを心がけます。

その後で音が「切れているように」聞こえるようにしていく訳ですが、
これも「音をひとつひとつ短くする」のではなくて、
レガートの意識はそのままで『音を切り離す』という感覚です。

こうすることで、舌の動きを最小限にすることができます。

舌の動きが少なく暴れていないほど速いタンギングが可能になりますし、
また、音がひっくり返るなどの事故も起こりにくくなります。


§ダブルとトリプル

ダブルが“T”と“K”の単純な往復なのに対して、トリプルの場合は
“TTK”というパターンと“TKT”というパターンの両方を練習しておく
必要がありますので、ダブルよりもトリプルの練習にウェイトをおいた
方が良い様に思います。


§意外な訓練方法

トリプルタンギングだと舌がもつれるという人も多いことでしょう。
これに関しては「“慣れ”だから練習を積めば何とかなる」という意見が
殆どだと思います。

確かに“慣れ”です。早口言葉みたいなものですから…。

でも、その方法論があまり表向きには論じられてませんね。
道端で歩きながら「TuTuKuTuTuKu…」とやってれば良いとかその程度。

ただ、それだと大切なことが抜けてしまっているんです。
『楽器を吹いているときは口がクリップされてしまっている』ということです。

発音だけなら「TuTuKuTuTuKu…」は大丈夫だけれど、楽器でやるとたちまち
できなくなるという人は、それにハマってしまっているのです。

それに、「TuTuKuTuTuKu…」だけでは飽きますよね?(笑)

案外効果的なのは、役者等が行っている発音練習「あえいうえおあお…」に
腹話術を足したものを実践することです。
腹話術ですから、もちろん、口元を動かしてはいけません。
あ、それから…、声を出す必要はありません…(^_^;)

[シングルタンギング]Ta Te Ti Tu Te To Ta To …
[ダブルタンギング] Ta Ka Te Ke Ti Ki Tu Ku Te Ke To Ko Ta Ka To Ko …
[トリプルタンギング]Ta Ta Ka Te Te Ke Ti Ti Ki Tu Tu Ku Te Te Ke To To Ko Ta Ta Ka To To Ko …

楽器が無くても、歩きながらでも、他の作業をしながらでも練習できます。
そして多分、何の弊害もありません。

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やちまう
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