re:スタミナがありません  #27697
投稿者: 椎名 (2007/07/18 12:11)

実はボクははじめて3〜4年くらいまではまったくといっていいほどスタミナがありませんでした。
ラピュタの「少年とハト」すら吹ききれませんでした(汗


ボクの経験上、やはり耐久力はマウスピースや楽器によって大きな影響を受けると思っています。


もちろん、どんなマウスピースでもずっと吹いていられる方もいらっしゃるので、例外はありますが、ほとんどの方の場合、浅いマウスピースは唇をずっとつけたまま吹くことができない、ということです。

それから、ドライ奏法よりはウェット奏法の方が耐久力があるように感じ、数年前に私もスイッチしました。
ドライやウェットの「度合い」もあるのですが、かなりドライな方(かつてボクもそうでした)は、吹いているうちにずれてくると一度マウスピースを離さなければ音がプスプス消えてしまうと思います。しかし、ウェットは筋肉がバテてしまっても、「バテた状態で鳴る位置」へ自然と導かれるため、長く吹いていられるのかな、と思います。

それと、抵抗感の強い楽器、重い楽器などは体力を消耗しやすいので、やはりバテ易いと思います。また、抵抗が無さ過ぎる楽器は身体で抵抗を作り出さなければならないため、逆にバテてきたときに鳴らしにくくなる場合があります。個人的な見解としては、体格にもよりますが、ヤマハ800シリーズ等、ミディアムクラスの重量の楽器が最も吹きやすく、耐久力があるかな、と思います。

また、音程が悪い楽器もバテ易いです。身体の方で音程をコントロールしなければならない分、身体的にも精神的にも疲れます。

バテてくると唇がマウスピースのカップ内に入る量が多くなってくるので、カップ内壁に唇が触って振動を妨げてしまいますから、所謂エグリがあるものを選ぶと耐久力は上がると思います。ただし、カップ容量も増えるため、バテていない間はややしんどくなると思います。


奏法的な面でいいますと、これまたボクの経験上、唇を離さずに音が出なくなるまでp(ピアノ)でロングトーンをし、それを10分でもいいから毎日続けるとかなり耐久力があがります。そのうち10分経っても音が消えなくなると思います。いろんなロングトーンの方法を試してみてください。
それからリップスラー、リップトリル、タンギングも組み合わせると効果的です。また、こういった基礎練習時に限り、チューナーを見ながら音程を気にしつつ吹くことがとても大切だなぁと思います。

ロングトーンの練習はかなり頭を使わずにできる練習ですが、実は頭をフル回転させてやる練習でもあるような気がします。たとえば、音色、音量、音程、呼吸法、姿勢、などなど、気にしようと思えばいくらでも出てきます。いろんなことに気をつけながら、最も楽で効率良く鳴る奏法の「クセ」を身体に叩き込むためのロングトーンである、と思います。

ちなみに、ボクの知人たちで音色が美しい人、耐久力がある人などはみんな少なくとも3年間くらいは毎日のようにロングトーンを1時間前後やっていた、とのことでした。よくあるのが、メトロノームが止まるまで、ってやつですね。電子じゃ電池が切れるまでってのはちょっと無理ですが(笑)。大体中学や高校の部活で無理やり先輩にロングトーンやらされるようですね。

ただ、ロングトーンは一生毎日そんなにたくさんやらなければならないわけではなく、おそらく一度良い奏法が定着してしまえば、時々見直すだけで維持できるものである、と思います。
さらなる向上を目指すためには、また続けていかなければならないことだと思いますが・・・。

参考になればと思います。