re:雑音について
#27844
投稿者:
やちまう (2007/08/22 22:07)
yuko さん wrote in article #27830 > 前からの悩みなんですが音に雑音(ビィーンという音)が入ってしまいます(;_;) > とくにE♭の音からB♭くらいまでの比較的低い音で雑音がなりやすいです。 もし、“出している音のオクターブ下”の振動が混ざってしまうということでしたら、 ドッペル・トーン(ダブル・バズ)という現象が起こってしまっているのだと思います。 過去記事検索で「ダブルバズ or ドッペル」をキーワードにして検索してみると 参考になる記事がいくつか見付かると思います。 原因は様々でしょうけれど… 1. 吹く息を殺してしまっていて、息よりも振動が勝ってしまっていたり、 2. 不用意に唇を絞りすぎていて、息の流れを阻害してしまっていたり、 3. 出そうとしている音と実際のセッティングが大きく異なっていたり、 4. 音を出そうという意識が身体の準備よりも優先されてしまっていたり… …などなど、フィジカルな面やメンタルな面(あるいはその両方)の要素のアンバランスが 表出したものではないでしょうか。 > 私は低い音の音程がよく上擦るので音程を低くしようとするとなってしまいます……。 > やはり吹き方が悪いのでしょうか?? “悪い”というよりも“不自然”な吹き方になってしまっていませんか? 不自然な吹き方が習慣になってしまうと、それを是正するのには数日かかります。 ですが、別に悲観的になったり慌てたりする必要はありません。 ほんのちょっと心がけるだけです。 色々なアプローチがあるとは思いますが、私がアドバイスするとしたら以下の3つです。 一つ目は呼吸。 呼吸は“振り子”なのです。 吸気と呼気はスイッチのON・OFFみたいに切り替えるものではなく、連続していなければなりません。 無理に押し出そうとしたり引き留めたりすれば不自然になります。 必要な量の息を“テンポを感じながらリズムに乗って”吸って吐きましょう。 二つ目は口のセッティング。 これはマウスピースだけで簡単にチェック出来ます。無理に音を鳴らす必要はありません。 不自然な状態で無理に音を出そうとしている場合は「ンブー・ブフー(濁った音・B)」という感じになり、 自然なセッティングになっていれば「プフー(無音・P、あるいはリラックスしたバズィング音)」になります。 三つ目は日頃のウォーミングアップ。 特に一日の最初のウォーミングアップは丁寧に行うべきです。 一番楽に吹くことが出来る中音域を基準にして、低音と高音へ少しずつ音域を拡げてゆきます。 チコヴィッツのメソッド(Longtone Studies ※1)などを利用しても良いでしょう。 ※1 http://www.din.or.jp/~ymch/trp/follow/longtone.html 体をほぐしながら感覚を覚ましていって、それを拠り所(よりどころ)にするのがウォームアップです。 拠り所が分からないと不安定になりますし、無理が生じます。 それから、楽器を吹く際の体の一連の動作が“当たり前”にならなければいけません。 例えば、日常生活の“何気ない”動作は、いちいち考えながら行わないですよね? “何気なく”出来るようにするためには、繰り返して練習(訓練)することが必要です。 雨戸さんの投稿記事“初心者の「楽しみ」#27725 ※2”は「言い得て妙」というか、 それを巧みに言い表していて素晴らしいと感じました。Bravo!!です。 ※2 http://trp.ymch.jp/trp/data/27725.html yuko さん wrote in article #27838 > あと音程が高くなるという点(私の場合♭EとD)はどうすればいいでしょうか……。 > 高い音と同じ口のまま低い音を出すと必ず高くなってしまいます。 > でも雑音は出にくいんです!! > どうすれば良いでしょうか? 高い音を吹くセッティングで低い音を出そうとしたり、 低い音を吹くセッティングで高い音を出そうというのは不自然なのです。 まずは「何も考えずに楽に吹くことができる中音域」が無いことには何も始まらないと思うのです。 そもそも、それがなければ心許ない…というか不安ですよね。帰る場所を作っておきましょう。 高音と低音はシンメトリック(対称)の関係にあり、高音と同じぐらい低音は難しいのです。 “真ん中”が分からなければ右も左も分からないですよね。 吹くときの姿勢に関しても同様のことが言えます。 “体の芯”が意識できていないと、歪んだり突っ張ったりして不自然な姿勢になります。 凝り固まらずに柔軟に、それから気楽に行きましょう! -- やちまう ymch@din.or.jp http://www.din.or.jp/~ymch/trp/ http://ymch.jp/ |