re:上唇と下唇  #27865
投稿者: eigenvalue (2007/08/24 01:23)


>奏法の本やHPなんかを見ているとよく、「上唇は主に音を出すところ
>だからリラックス、下唇で上唇の振動を助ける」、というような記述を
>よく見ます。
>
>それは正しいと思い実行しようとするのですが、
>上唇から力を抜くと下唇の力も抜けて、息の力に負けて押しやられてし
>まう、息の力に負けまいと下唇を意識すると上唇にも力が入ってしまう
>という結果になってしまいます。

私も上唇/下唇両方に力というか緊張します。息の力に負けないように、
マウスピースの中に入りこまないようにということは過去のBBSで様々な
方が仰っています。主振動が上唇とすると多少は、上唇にも力が入るのが
普通のような気がします。

上下唇に緊張が生ずるということを正当化しているものとするのには危険
かもしれませんが雨戸さんが参考文献に載せていた
 デルバート・デール著 西岡信雄訳 「トランペットのテクニック」
を図書館から借りてきましたので一部抜粋します。そのp35に

”下唇は唇のあいだに作るすきま、つまり息の出口の大きさを調整する役目
をもつものであって、音程が上行すればそれにともなった上唇の緊張と平行
して、この下唇にも張力をかけなくてはならない。逆に音域が下行すれば、
上唇の力を抜くと共に下唇の張力もゆるめ、唇の開きを大きくしてやらなく
てはならない。張力のバランスを保つために、理想的には下唇が上唇の動き
と常に反対方向に動くべきである。しかし、上唇の緊張度に対応して下唇を
引きしめたり緊張させたりするとしても、そのあいだけっして下あごが動く
必要はない。下あごは常に一定の位置に固定されていなくてはならない。”
(引用抜粋)

とありました。本なので前後を読んだりして判断すること、言葉の定義が
ハッキリしないこと、また、訳本なので意味が取り難いこと等を考慮しなけ
ればならないと思います。ただ、上記抜粋部から察すると上唇と下唇両方同時
に緊張と弛緩をするようにしているようです。

あと、ページ数が前後しますが同じ本のp34に

”したがって、上唇はやや中にまいて、上歯の先端と上唇の先端とがほぼ同じ
線上にあるのが理想である(第図4参照)。
もし、第4図(B)のように、上歯に対して上唇の先が下へ出過ぎていると、
その部分は支えを失い、息の圧力によって明らかにマウスピースの中におされ
てしまう傾向になる。これは前にも述べたとおり、音色に悪い影響があるばかり
でなく演奏者の耐久時間を短くする結果になる。”(引用抜粋/図は除く)

初版が40年近く前のものですので「息の助けと上唇のリラックスで楽に吹奏」
とは、ちょっと毛色の異なる奏法かもしれません。

なにかの参考になればと思います(^_^)。