re:「ベルヌーイ効果による自励的振動」  #27884
投稿者: eigenvalue (2007/08/25 16:15)

自己フォローです(って仕事みたい)。

> 科学エッセイストの竹内薫さんの本に、「実は飛行機の飛ぶメカニズムはベルヌ
> ーイの法則で説明できるのか怪しい」という論争が最近賑わしているということ
> が載っていました。

本のタイトルは

 「99.9%は仮説 -- 思いこみで判断しないための考え方 -- 」

です。ベルヌーイの定理で飛行機が飛ぶメカニズムを説明できないという騒ぎの
発端となった文献として(洋書、電子書籍もあり)

 "UNDERSTANDING FLIGHT," David F. Anderson and Scott Eberhardt,
Macgraw-Hill.

を挙げています。サイトとしては

英語サイト
http://home.comcast.net/%7Eclipper-108/lift.htm

日本語サイト
http://hitomix.com/taruta/paperplane/Bernoulli.html

があります。

但し本にも書いてありますが、飛行機が危ないことを言っているのではないので
安心して下さい。あくまで飛ぶメカニズムを物理的にどのように理解するかの
議論です。論より証拠で今日も飛行機は飛んでいます。

ここのBBSには似合わない話題に逸れましたが、たまには雑談もよいとして許して
もらいましょう!

> 弦の振動数は
>
>  弦の振動数 = {(弦の弾性係数÷弦の線密度)の平方根}÷{弦の長さ}×自然数
>
> で決まると思います(高校物理だったかなぁ)。
> 次の仮定を置きます。
> 「息の圧力が上がっても弦の長さ(アパチャアの大きさ)は変わらないとする。」
> このときは、弾性係数=一定値×息の圧力 と考えられますので、
> 公式の弾性係数を息の圧力に置きかえると
>
>  弦の振動数 = {(息の圧力÷弦の線密度)の平方根}÷{弦の長さ}×自然数
>
> となります。

だれも納得する人はいないと思いますが、くれぐれも鵜呑みにしないで下さい
ね(苦笑)。公式自体も正しかったかどうか怪しい。大体、トランペットを吹
くときの唇がこんな簡単なモデルで説明できる筈もありません。

ただ、恐ろしいことに良く流布されていることを定性的には説明できてしまいま
す。

1)唇の厚い人は高音を出しにくい
  → 公式で弦の線密度を大きくすると振動数が下がる

2)低音に比べると高音ではアパチュアを小さくなる
  → 公式で弦の長さを小さくすると振動数が上がる

3)高音では息を沢山入れる
  → 公式で息の圧力を大きくすると振動数が上がる

これらが落とし穴になって、安易なアンブッシャ、アパチュア、呼吸法の議論
に発展する場合があります。説明できないことの方が多いことを忘れないで
下さい。

私個人としては簡単なモデルと公式で説明できるとスッキリするのですが。。
多分、アレルギーを感じる方も多いと思いますが、そこは寛大な心でお願い
しますね。