re:「ベルヌーイ効果による自励的振動」  #27886
投稿者: Kuta (2007/08/25 20:45)

ちょっとイジワルな突っ込みもいれますので、怒らないでください。

1)唇の厚い人は高音を出しにくい
  → 公式で弦の線密度を大きくすると振動数が下がる

でも唇の分厚い黒人奏者でもハイトーンがめちゃめちゃ出る人はたくさんいる。

2)低音に比べると高音ではアパチュアを小さくなる
  → 公式で弦の長さを小さくすると振動数が上がる

マウスピースのカップの中でアパチュアを小さくすること(息通る穴を小さく
して振動範囲を狭めるという意味で)はまずできない。


3)高音では息を沢山入れる
  → 公式で息の圧力を大きくすると振動数が上がる
  これは確かにそうだ。
 
唇が厚い人は薄い人より苦労するのかも知れませんが、高音に向き不向き
はあっても厚いなりに薄いなりに工夫して取り組むことができるのが人間。
高音が出ないのは唇が厚いからだなんて決して考えないでほしいですね。
特に中高生の学生の方々。
弦の長さを小さくして周波数を上げるということは、空気の粗密の変化を
正弦波振動に置き換えることで理解できると思いますが、唇の振動周波数
を上げるということ自体が弦で言えば長さを短くしていることと同じで、
息が通る穴(アパチュア)を小さくするということではないと思います。
(わかっておられると思いますが、この辺の奏法について実際間違った
指導が多いと思うので一言言いたかった)
eigenvalueさんの説明の通り、唇の速い振動を得るには息の圧力が高い
ことが必要ですが、そのための唇の条件は速い振動を安定的に生じること
を可能とする唇の柔軟性と、高い息の圧力によって息が漏れたり唇が吹き
出されてしまわないように機能できることが必要です。と、思って
eigenvalueさんのレスをたどって眺めてみると、この唇の機能は弦の弾性
係数と線密度を制御することにモデル化できるということになりそう
ですね。