re:うわずる  #3130
投稿者:  ロータリーTrp1号 (99/05/06 18:10)

 初めまして。楽器の音程の事ですが、まず楽器構造やメカニズムを知っておく必要があるでしょう。つまり、ピアノやバイオリンなどは発音体と共鳴体が両方ある完全なる楽器ですが、ラッパは単なる共鳴体であり、発音体は奏者自身であるということです。共鳴体は、本来はあるべき正確な音程でしか共鳴しないのでしょうが、ラッパの場合には、ベルや管が曲がっているためでしょうか、共鳴する音の振動数(=音程)にかなりの許容度があって、これがやっかいなのです。つまり、音程は奏者自身で作るものなのです。何となく吹いても楽器は正確な音程では鳴ってくれないのです。そんなことはわかっとるわい、と思われたかもしれません。しかし、このことが頭から抜けてしまいがいちなんです。少なくとも構造的な原理から言えば、1番バルブを押すと1音下がるとか、2番だと半音下がるなんて言うのは本来は嘘で、このことは高校の物理の知識があればわかることです。
 音程は自分が作る。これが大原則で、チューナーやピアノなどを使って練習するなど、日常的に正しい音程を耳に焼き付け、同時にラッパでそれが出せるようにコントロールすることを体が覚えるまで、地道な練習をするしかありません。
 さらに、その上で、高い音を高いと意識しすぎるからうわずるのならば、高い音を下にベンド(=曲げる)するように少し意識するなど、いろいろとこつのような事も考えると良いのでしょう。体力不足が原因で音がぶら下がったり、それを補おうとしてプレスしたり、息のスピードが上がりすぎる事が原因で逆にうわずったりするなら、体力を付ける練習をしたりする事も必要でしょう。ただ、このようなことは100%人のアドバイスだけでわかるはずもなく、自分がある程度楽器や奏法についてわかってこないといけないと思います。
 もう一つ、楽器の中には、構造的に音程が悪いものがあり、たとえばバックなどはプロも上のミの音はB管でもC管でも1+2番バルブで奏しています。開放ではありません。(そもそも理論的にはラッパの構造上、上のミの音は開放では低くなるのが当たり前で、1+2番バルブで奏するべきなのです。音程の良い楽器はそこをうまく作っていますが。)従って、そういう場合には、換え指、トリガーの使用などで音程補正せざるを得ない場合も多々あるのです。ですから、当面は様々な方法を考え、それで乗り切ることも悪くないはず。で、楽器に問題がないのなら、上記のように音程に気をつけて地道に練習を積み重ねていくことが基本ではないでしょうか。(特にクラシックの場合は。)
 長々と偉そうに綴ってすみません。あくまでも1つの意見ですから、もし、生意気に感じられたら気にしないで下さい。がんばって下さい。また情報交換させて下さい。
 

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