re:リップトリル
#3399
投稿者:
kuro (99/06/05 14:46)
”リップスラー”と”リップトリル”ではやり方が若干違うのですが、 リップトリル(ジャズではシェイク)に限定したお話を紹介します。 シェイクにも楽器を揺する文字通りのシェイクと顎を使ったシェイクがありま すが、ここでは後者の話です。 **某誌トランペット奏法クリニックの記事から** 僕は、楽器を持つ前にまずマウスピースだけで練習することをお薦めします 。そのときは、ただマウスピースを持つだけでなく、先端部分を手で覆うなど して抵抗を付けることが大切です。・・(中略)・・・。では、最も手っとり 早いシェイクをマスターする方法をお話しましょう。それは、吹きながら「ア・ イ・ア・イ・ア・イ」と発音することです。上の歯と下の歯の間隔を「ア」と言う ことと「イ」と言うことによって変えてやるわけです。つまり、顎を上下させる わけです。さらに、舌のポジションも「ア」と言うときより、「イ」と言うときの 方が後ろの部分が上がるようにします。この二つの動きを連動させることによ って、より楽にできるはずです。ちょっと、口笛で試してみてください。口笛 が鳴っていなくても構いません。息のスピードと角度が、急激にスムーズに変 わることを確認してください。 初心者の方は、舌の後ろを上げるなど、口の中の形を急激に変えてしまうと 音色も変わってしまうことがあります。楽器を吹きながら試してみて、もし音 色が変わってしまうようでしたら、「ア・イ・ア・イ」という歯の間隔を変える 動きだけでやってみましょう。顎を締めれば締めるほど音程が上がり、5度く らいまでなら、この顎の動きだけで充分変わるはずです。・・(中略)・・。 さて、この「ア・イ」の連続的な動きをマスターするために、最適な練習法を 教えましょう。それは、チューニングドとレを4分音符4つ、次に8分音符8 つで交互に吹きます。|ドーレードーレー|ドレドレドレドレ|。これを、マ ウスピースだけで練習することです。楽器を持って練習すると、どうしても音 を変えることに意識が行ってしまい、過剰な動きをしがちになってしまいます 。「音程を変えなきゃ」と、意識するあまり動きがオーバーになってしまうので すね。最初は音色など考えずに、メカニックな動きだけをマスターすることが 大切ですから、まずマウスピースだけでやってみることです。これをやってみ るとよくわかるのですが、実はビブラートをかけるのと同じことなのです。音 を変えるのではなく、音を揺らすという感じでやってみると、以外にスムーズ にできるものです。・・(中略)・・。 マウスピースだけの練習で顎の動きをマスターしたら、いよいよ実際に楽器 を持っての練習に移ります。そのときに注意しなければならないのは、音が出 しやすいといって、低い音からトライするのは避けることです。低い音ほど倍 音のインターバルが大きくなります。低くなるほど音を動かす幅が大きいわけ です。最初はちょっときつくてもチューニングBの上のGから始めてください 。 まず、左手で楽器を持ち、マウスピースを楽器に付けて、チューニングBの 上のGを出します。そして、音を出した状態のまま、右手でマウスピースを持 ち、楽器を離します。そのままの音程、32分音符でシェイクしてみましょう 。|ラ・シ・ラ・シ・ラ・シ|(このときはマウスピースだけの音が出ている 状態です)。その状態のまま、また楽器にマウスピースを付けます。そうする と、きれいにシェイクしているはずです。・・(中略)・・。 シェイクを練習するときは、テンポも大切です。初心者は、なるべくゆっく りしたテンポから始めた方がいいと考えがちですが、実はそうでもないのです 。ゆっくりしたテンポで練習すると、どうしても一つひとつの音にメリハリが つきすぎて、ギコチなくなってしまいます。シェイクは、スムーズな動きが大 切ですので、そのためには、ある程度速いテンポで練習したほうがいいでしょ う。まずは”慣れ”なのです。 最初から速いテンポは難しいと感じられますが、そのときには、楽器を持た ず口笛を吹くように息だけの練習をお薦めします。これは実に効果的な練習法 です。この練習をじっくりやることで、シェイクの動きに慣れることができる のです。さらに、これならいつでもどこでもできますから、負担にならず繰り 返しできます。当分の間、ヒマさえあれば、口笛を吹くようにこの動きを練習 してください。知らず知らずのうちに、シェイクのメカニックな動きをマスタ ーできますよ。 いかがでしょうか。ぼくは約1週間ほどでマスターできました。 もし、この記事を読んでシェイクがマスターできたという方はぜひメール下さい。 |