ドイツ管1  #4426
投稿者:  ロータリーTrp1号 (99/09/18 11:43)

 この話題になると、いつも真っ先に反応するとばかりも思われたくなく、どなたかから何か反応があるだろうと思って静観していましたがいましたが、なかなかないようなので、一番乗りします。
 音色の秘密って、やはり構造的なものから来ると思います。ピストン楽器との違いは、まずマウスパイプ(リードパイプ)。この部分が長さも違いますが、ドイツ管は比較的ストレートですが、ピストン楽器はテーパーがついてますよね。円錐管部分が多いと、楽器の音は柔らかくなると考えるのが普通ですよね。コルネットやホルンはそうなっていますから。ロータリーTrpはピストンTrpより柔らかい音がするとはいいますが、とすればピストンの方が柔らかくないといけません。ただ、ロータリーの音はコルネット的な柔らかさとは傾向が違いますし、柔らかい音の概念も物理的にはある意味で曖昧なので、捉え方が少し難しいのかもしれません。しかし、ロータリーTrpにピストンTrpのマウスパイプをつけてみたら、ピストンの音がするそうです。
 また、上記に関連して、ボアの構造が違うようです。トロンボーンもそうですが、ドイツ管はデュアルボアになっているようです。バルブのボアが少し細めで、ベルボアが大きめだったんでしょうか。
 材質的には、基本としてイエローブラス系とゴールドブラス(またはレッドブラス)系があり、比率としてはゴールドブラスなど成分として銅を多く含むもの(俗にヘッケルメタルと呼ばれる少し特殊なものを含めて)が、ピストンの場合よりも圧倒的に好まれているんじゃないでしょうか。わたしも同じモデルのゴールドブラスとイエローブラスを試しましたが、ゴールドブラスの方がはるかにしっくりきました。ただ、ピストン式も材質は様々ですから、一概に言えないかもしれません。ただ、ピストンでもバックのVモデルなどはデュアルボアと72ベルにより、ドイツ圏のサウンドに近づけようとしていますが、ベル材質をゴールドブラスにするとより雰囲気が出るはずです。
 その他、様々な部分の構造につては、細かくあげなくとも一目瞭然で構造が違うわけです。だから音が違って当たり前です。この違いはナチュラルTrpの時代はどうだったんでしょうか。ナチュラルTrpも、ドイツ式とイギリス式では少し違いがあるようですから、バルブ発明前後で、ドイツ圏とそれ以外でラッパの構造がどう違い、どのような音がラッパに求められていたかなど、ロータリー式ととピストン式の関係も歴史的な考察が必要なんでしょう。
                                  (続く)