モンケとヤマハ  #4454
投稿者:  ロータリーTrp1号 (99/09/21 09:22)

 モンケについてはよくわかりませんが、少なくとも外観については、渋谷のネロ楽器さんにおいてある新型と、BPOなどでメンバーが使用してきたものとは違いがあります。例えば、B管、C管とも15〜20年前では、マウスパイプとベルをつなぐ支柱がロータリーの手前に2本、ロータリーより先のベル側に1本の計3本あり、現在のモンケはそれぞれ1本ずつの計2本の支柱のようです(フィンガーフックをのぞいて)。
 ヤマハのモンケタイプとは、ラボ・シンフォニーの936(B管)と946(C管)のことですが、B管は旧モンケと、C管は新モンケと同じ支柱の配置です。N響の津堅さんが長らく使ってらした(現在はシャガールのようです)ヤマハのC管946X(ラボの試作モデルとも言える)は、旧モンケと同じ支柱の配置でした。支柱については実際に音色や吹奏感に影響するとか、あるいはそうしたことを象徴するものとか言われますが、これはピストン、ロータリーともたぶん同じで、ロータリーも軽い吹奏感の楽器は支柱の数が少ない傾向があるようです。
 新旧モンケは、短時間でしたが試奏したことがあります。モンケの仕様変更が何を意味するのかわかりませんが、モンケという楽器の基本的な性格は変わっていないんじゃないでしょうか。ただ、ドイツのオケのラッパを見てますと、外観的に両方のモンケを見ることができ、恐らく現在でもカスタムメイドで、支柱の数のみならず様々な仕様を奏者の希望に合わせて作ってくれてるんじゃないかと思います。その微妙な仕様の違いによっては、楽器個々の性格も微妙に異なっては来るでしょう。実状をよくご存知の方がいらしたら教えていただきたいですね。
 ところで、やっとモンケさんが登場されましたが、モンケさんやshinさんのようなモンケユーザーの方には、モンケのお話をもっと聞きたいと思います。
 モンケについては、先代Josef Monkeが亡くなったのはかなり前のことじゃないでしょうか。現在は、娘さんのリーゼロッテ モンケさんが跡を継いでおられるようです。ケルン大聖堂の近くのアパートの2階が工房、1階がお店で、お店にはラッパはロータリーはサンプルのみがあり、即売品はないとか。また、ピストンの楽器(もちろんモンケ製)は即売品があるようです。ヨーゼフ・モンケの息子(確かヴォルフガングだったような・・・)は、独立してW.Monkeのブランドで楽器を作っているとか。15年ほど前、銀座のヤマハで見たことがあります。
 現在のMonkeの後継者は、職人としてはベルント・クリュッチとか言う比較的若い人で、「Monkeの楽器の製品としての秘密は、私の腕だ」と言いきっているそうで、工房の見学は結構自由にさせてくれるそうです。お話は英語でOKだそうです。旧東ドイツでは仕事の世襲が禁じられていたため、ヘッケルの後継が、ヴィンディッシュ→マイヤーとなってますが、世襲が禁じられていない旧西ドイツでも、トロンボーンのレッチュが実の子供ではないニーダーアーバー氏になってますから、モンケもそういう形と言えるのかもしれません。
 以上のモンケの様子は、7〜8年ぐらい前だったか、パイパーズにのってました。また、フランスに留学していた私の後輩も、同時期ケルンのモンケ工房を訪ねており、全く同じことを言ってました。(おみやげでモンケのMPをもらいました。)ただし、モンケの仕様変更が、この後継問題とどうリンクするのかは不明です。




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