re:休憩を挟むと・・・  #5455
投稿者:  ロータリーTrp1号 (99/12/01 13:19)

 個人差はあるんでしょうが、このコンディションの維持や変化という問題は、ラッパ吹きにとって永遠の課題といえるんじゃないでしょうか。恐らくプロも、大丈夫だなんて口では言ったとしても、ホントは気になっているんだと思います。
 下の方に耐久力のトピがありましたが、基本的に同じことだろうと思います。
 
 先日、ベートーベンの第九公演があり、1番ラッパとして出ました。第九はラッパ吹きにとって大変な曲で、とてもきついんです。1楽章なんてマーチのごとく吹き続ける感じですが、ffもあれば、pで繊細に演奏しなかればならないところも多々あります。
ホントはアシスタント無しで行きたいところですが、やっぱりお願いしてて良かった、ということでした。
 
 こんな大変な曲です。本番前に疲れたくない。前日、夕方6時から9時過ぎまで全体練習があり、当日は朝10時から12時まで前プロ(エグモントov.)と1〜3楽章、1時から2時まで4楽章のリハがあり、3時から本番という予定でした。わたしは、できれば当日リハは吹きたくない人なので、今回は10時からリハは休みました。1発もならしてません。
 ただ、1時から、4楽章のリハには出ました。そして本番。
 もうエグモントの最初から、唇が締まらない。高音が出にくい。音のパンチにかける。つまり絶好調からは遠い状態。=バテた状態。
 第九もきつい。それでも、ほとんどの決め所はこなしました。ただ、絶好調ならもっとこう吹けるのに、という思いは残りました。こんなもんかなという思いもあります。全体には、とても良い演奏会でしたし、その一員として、なんとか役割は果たせたのかなとも思います。トロンボーンのメンバーや、ホルンで参加していた妻は、ラッパは良かったよと言ってくれてました。プレイバックを聴いてみても、まあまあでしょうか。でも、やはり、自分なりに課題は残した、という感じです。新たな目標を持って、日々精進するしかない。また、そのこと自体、やりがいのあることで、大きな生き甲斐でもあります。
  
 しかし、やはり、本番に関しては、コンディションをどう作り維持するか。絶好調に近い状態で本番を迎えるにはどうするのか、これが、1番の課題であることに間違いはなのです。
 
 同じようにやっても、日々コンディションは変わります。まして、本番の日は演奏会であれ、コンクールであれ、全く特殊な状況になります。これを乗り切ることは、そう簡単なことではないでしょ。そんなこと、俺には関係ないって人がいたら、よほど無神経か、怪物または天才的奏者なんでしょうから、凡人である我々とは違います。凡人は凡人なりに、そのときどきの対処の方法を考えなくてはならないでしょう。

 以下、私なりにポイントをまとめます。参考にならないかもしれませんが。

 ・1番は、最低限必要なスタミナがないことには話にならな
  いってことでしょうか。スタミナを付ける方法については、
  他のトピなどを参考にして下さい。

 ・自分にあった、また、そのときどきに自分のコンデションに
  合わせたウオームアップを見つける。これもあれこれやっ
  て下さい。
 
 ・本番前に、どうすると自分はよいのかを的確に判断する。
  本番前にしっかり吹かないといけないタイプと、温存したい
  タイプがあるでしょう。温存したい人は、本番前のリハなど
  も大事ですが、そこでとばして本番死ぬなんて愚かしいこ
  とです。リハで手を抜くと、他の人には迷惑でしょうが、リハ
  で吹いちゃって、本番死んだ人、たくさん見てますよ。プロ
  も含めて。割り切りましょう。 
 
 ・以上のことの、具体的方法や、自分のやり方を見つける
  には、経験が必要でしょう。そして、自分を良く知り、過小
  評価も、もちろん過大評価もしないことです。その上で、
  頭を使い、本などを読んだり、人に聞いたりしながら情報
  を集め、少しずつでも、自分の方法を確立する。
  
 ・もちろん、目指すのはどんな状況でも絶好調の自分が発
  揮できるスーパープレイヤーであり、そのために努力すべ
  きでしょう。ただ、リハもしっかりこなして本番もこなすため
  には、本番でやる曲を3回通り以上吹ききれるだけのスタ
  ミナが必要ですが、なかなかそんなの無理じゃない?(他
  の楽器はともかく、特にトランペットはね。)
 
 ・ただ、スーパープレーヤーになれないとしても、努力を重
  ねるうちに、自分のキャパシティーが大きくなってきます。
  つまり、最低ラインが高くなってきますから、コンディション
  が悪くても、一定レベルの演奏ができるようになるでしょ
  う。おそらく、プロはそういう状態なんだと思います。バテ
  ないとか、常にベストであるなんてことではないんでしょ
  う。で、これは、一朝一夕にできやしない。時間がかかる
  でしょう。いい方法があったら私にも教えていただきたい
  くらいです。とにかく、色々やるべき練習を頑張るしかない。

以上、長いですが、概論的な私の独り言です。

p.s.道具の合う合わないもあるでしょう。それについては、
    中川先生のサイトとか参考にされたらいいと思います。


akiy@tjsnet.or.jp