これからのBPOのラッパは?  #5655
投稿者:  ロータリーTrp1号 (99/12/20 09:49)

 今年のワルトビューネ野外音楽堂のサマーコンサートに、エキストラとして出てた、ハンガリーの人だそうです。生音は聞いたことがありませんが、武蔵野音大で教えていたそうで、教わったという人からのコメントが、以前ここに投稿されてました。ピッコロが上手いとか。CSOのはーせすの弟子に当たるそうです。使用楽器はシャガールだそうで、ワルトビューネの時は、クラッペンのたくさんついたC管でした。とても明るい音で、良く通る音でした。なかなか素晴らしいと思いましたよ。HPもあるそうです。
 うにょさんがおっしゃるように、私もBPOはモンケのB管で統一されていた時代が好きです。私は、録音が良くなったことや、カラヤンの最も脂がのっていた時代であったこと、そして、若返ってよりパワフルに感じるようになったので、グロートや、クレッツァーが入団した、74,5年から80年代初頭にかけてが、最も好きなんですが、もちろんヴェーゼニックやアイヒラーの時代二もたくさんの名演がありますし、大好きですけど。
 第九など、1977年のジルヴェスターコンサートのヴィデオが出ていますが、モンケB管で統一された豪快な響きはまさにBPO!それと、60年代の、スッペ序曲集など、繊細さと豪快さがあり、BPOのブラス陣の鉄壁さとともに、モンケB管の素晴らしさを味わえます。
 ロータリーでは、ドイツものの繊細さは表現しやすいのに、フランスものなどではどうしても限界を感じてしまいます。そんなとき、少なくともC管の方が、より表現しやすいように思います。また、C管の繊細さが求められたり、ハイテクを要求される曲の場合、どうしてもC管の方がより安全ですからね。世界の傾向に従って、ドイツやイギリスも1番がB管からC管に変わってきているようですね。今や、B管主体はロシアぐらい。
 長管F管ラッパ見直しの動きや、オリジナル楽器使用の動きがある中、B管主体にする動きを期待しているのは私だけでしょうか?C管に大きなMPつけてB管をイメージすることや、ただ確率を上げるためにC管を使うなんて、ナンセンスとも思います。プロだからこそ、音にこだわってB管を使って欲しい。
 それなら長管Fや、オリジナル古楽器を使えって?なるほどそうかもしれませんが、モダン楽器として、B管に魅力を1番感じるのは私だけでしょうか?ポピュラー音楽やジャズなんかは、スーパーハイトーンを含めて、B管でやってるじゃありませんか。クラシックだって、ラッパらしい、勇ましい響き、B管が1番。それに、周りとも音が溶け合いやすいですよ。モーツァルトなんかは、モダンならC管の方がいいでしょうが、ブラームスや、ましてブルックナーなんか、B管で吹いてなんぼでしょうが。と思います。 
 タマーシュ・ヴェレンツェイはアメリカでも勉強し、ピストン楽器も使いこなす人で、ドイツ人じゃありませんから、もし、彼がBPOの顔になるとすれば、曲によってピストンを頻繁に使い、BPOがさらにインターナショナルになり、場合によっては無国籍化されるかもしれません。
 カラヤン時代にBPOはインターナショナル化し、ドイツの響きをなくしたなんて言われますが、カラヤンが低音の効いたドイツの重い響きを求めていたことは明白です。その上で、モダンなヴィルトオーソオケを目指したわけですが、新主席Trp、そしてイギリス人のラトルという新シェフのもと、BPOの響きはどうなるんでしょう。楽しみでもあり、不安でもあり・・・・。
 

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