re:中川「えぐり」に質問
#5971
投稿者:
中川喜弘 (2000/01/24 14:34)
>今まで「えぐり」のない浅いカップででプロとしてやっていた人たちが「えぐり」のついたマウスピースを使いはじめても平気なのでしょうか? 人間には知恵がありますから、その道具しかないとなれば、「その道具に自分を合わせよう」と努力をします。したがって、本来唇の「粘膜より上」にマウスピースをセットするところを、「えぐり」の少ない(えぐりの全く無いマウスピースは少ないです)分、粘膜に「マウスピースをセットして音を出す」事になるわけです。 日本において「えぐり」云々を言い始めたのは多分私が最初でしょう。 色々と反論もあるとは思いますが、吹奏楽団等で一番音が出ないのが「トランペット」です。 トランペットを始めた一番最初に「良い道具に合えば」問題はないのですが、従来のマウスピースでは、音の出ない本人が悪いのではなく、その道具では「その吹きかた以外出来ない」が本音でしょう。 その結果、柔軟性、耐久性、音の強弱、操作性等が大きく阻害されていると思います。逆な言い方をすれば、「トランペットとはそう言うものだ」と思いこんでいる人も多いと思います。 又そう言うマウスピースで育った人は、「えぐり」の付いたマウスピースを使った場合、当然違和感を感じることと思います。 >疑問に思ったのは前歯が大きく、出っ歯ぎみでも唇の形状、その他の要素で「えぐ>り」が必要無い人もいるのではないか? もちろんおっしゃるとおりでしょう。いくつか下の投稿にあるように、サミーソーサのバットを「アメリカ人なら全員が振り回すのは不可能」と言うような反論が来ると「自分の気持ちを伝えることの難しさ」を感じます。 >最近アメリカでラスキーのマウスピースを使い始めるプロの人が多いと聞きました>「えぐり」のついたマウスピースを使いはじめても平気なのでしょうか? 「必要は発明の母」ですから、私が考えたと同様にラスキーも感じたのでしょう。 一つだけ忠告をしておきます。「えぐり」だけで、全ては解決しません。 リムの形状、スロートの大きさ、スロートの直線部分の長さ、ハックボアーの広がり、楽器とのマッチング、その他細かいことがたくさんあります。 これからのマウスピースは、「オーダーメード」になると思っています。しかしそれには、注文をする人が「様々な事」を知らなくてはなりません。 そう言う意味で中川モデルは、スロートは小さい、バックボーアの広がりが遅い、洋服で言うところの「イージーオーダー」といえます。中川モデルはラスキーに改造できますが、その逆は無理です。 |