re:太い音  #6169
投稿者:  ロータリーTrp1号 (2000/02/10 15:44)

 サンデーペッターさんのおっしゃるように、オケの録音テープで聴いてみられるとよいでしょう。存在感があればそれでも良いかも。ただ、いろいろ聴いたり、経験すると、耳も肥え、音楽に対する感覚も発達しましょうし、好みや考え方も変わるでしょうから、今の録音を今聴くのと、5年後に聴くのとでは、感じ方もかわるでしょう。

 どういうことかといいますと、将来もっと鳴らせるようになったとすると、今現在(将来の時点では、過去)の音は、楽器をまだまだ鳴らせていなかった、と感じるということです。

 1月にチャイコの5番(1stTrp)をやりましたが、ご存知のように、この曲ではTrpは大活躍です。トレーナーに振ってもらっているときからばんばん鳴らしていたのですが、正指揮者との最初のあわせの時、
  「もっと鳴らして下さい。チャイコフスキーですから。」
と言われました。
 本番は相当の音量だったと思います。もたなくなるので、押さえるところは少し押さえましたが、ffとかfff、ffffは吹きまくりっていうつもりでした。
 フィナーレのコーダーで、アシストつけましたが、後は1st1本でした。でも、聴きに来てくれたある人によれば、
  「普通はこんなにTrpが鳴ることはない。」ぐらい鳴っていたようです。(=音の出しすぎ?)

 しかし、録音を聴くと、マイクの位置にもよりますが、意外と鳴っているようには聞こえないものです。
 
 おそらく、多くの場合こんなもので、本当のf(というかff,fff)を出しているつもりでも、まだまだ楽器をならしきっていない。こういうことが多いんではないでしょうか。
 このコーナーでおなじみの中川喜弘先生も、日本人の多くはトランペットを本当に鳴らしていない。本当に鳴らせている人はとても少ない。とおっしゃってるんですが、もちろん私もその一人ですが、それを自覚することは大切でしょう。
 
 本人が吹いているつもりのようには、楽器は鳴っていないことがあります。自分を客観的に見れれば、そういう判断が出来るかも知れません。
 
 ここでいう鳴っているということは、絶対的音量のこともありますが、それ以上に自分のMPで無理なく、効率よく鳴らせているか、ということです。
 1XなんていうでかいMPの時、それをしっかり鳴らしきることは結構な息の量と体力がいるものです。「効率よく」の意味は、「省エネ」という意味ではありません。よけいなところに力が入ってなく、十分リラックスしているが、しっかり息が入り、ちゃんと体も使えている。そんな鳴らし仕方です。
 そのように鳴っていれば、たとえpでも、音が丸くコンパクトにまとまって聞こえるところ思います。コンパクトと言いましたが、太い音はコンパクトにまとまっているもんだと思います。
 「省エネ」、つまり、息を出し惜しみするような吹き方、あるいは体を十分使っていない吹き方で1Xとか1とか1Cとか鳴らすと、妙に空気の音がしたり、どこかひずんだ感じの音になったり、音が拡散して何となくまとまらない感じになったりするんじゃないでしょうか。
 学生の時、いましたよ、こういう人。シルキーの18番(カップは17.?mm、でかい)とか使っていたようです。きれいに鳴っているようで、本人もそのつもりだが、正面から聴くと妙に音が拡散し、まとまりに欠ける。横で吹く仲間から見るといい音のように聞こえるけれど、指揮者などからは、以外と評価されていなかったような。

 あくまでイメージですが、大きいMPを、実はきちんと鳴らし切れていなかったんでは?と思います。その人は高音も出ますし、1番吹ける人だと思いましたが、録音されたものを聴いても、音にまとまりが少しかけるような気がします。
 
 よっしさんがこんな感じかどうかわかりません。先輩の方がいわれたのはどういう意味なんでしょう。
 想像するに、
1.楽器が十分に鳴っていない。
 
2.楽器は鳴らせているが、音色が細い音と感じさせる。

3.楽器を鳴らせるし、音色も問題ないが、日常的にfの感じ方  が小さすぎる。

のどれかのように思います。

 1.ならば、前述したとおりです。
 対策は、たっぷりとした息をイメージし、もっとしっかり息を入れて吹くことを練習することではないでしょうか。
 あるいは、MPを少し小さくし、自分にとって息を十分に入れてコントロールできるものに変えることです。例えば、不十分な息の入れ方で1Xを使うより、3Cや5C、6Cいや、もっといえば10Cとかでも、十分息を入れてコントロール出来れば、小さいMPの方が太い音(=しっかり鳴っている音)が出ると思います。

 2.ならば、原因は楽器やMPにあると思います。楽器がシンフォニックにならない。あるいはMPが小さい。(あるいは浅い。)
 こんな時、楽器は鳴っていても、音色の傾向から、オケに適した深みと厚みがある音になりにくいものです。ですから、楽器をシンフォニックな楽器にしたり、MPを大きくする必要があるでしょう。ただ、MPを大きくすると、上記のようなことがありますので、大きなMPでしっかり息を入れて、それが効率よく音になるよう、練習しなくてはいけません。それが出来なければ、MPは小さいときの方が結果はよいと思います。
 
 3.ならば、編成やホール、曲にもよりますが、fをもっとおききく吹くようにするしかありません。オケでは、音が通りやすいのであまり大きく吹くと曲を壊すように感じがちですが、やはりf、ましてffなどはしっかり聞こえる必要があります。


 この中で、サンデーペッターさんもおっしゃってますが、よっしーさんの大きいMPと楽器なら、2のようなことはないと思います。ですから、1か3だと思いますが。いかがでしょう? 
 

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