re:コルネット。  #6501
投稿者:  kazuya (2000/03/09 09:05)

私の属しているオーケストラでは、コルネットの指定があれば必ず
コルネットを使用することになっています。ただ、この場合どの
ようなコルネットを使用するか(=作曲家がどのような意図で使用
したか)が問題になると思います。
コルネットを指定している作曲家は、ベルリオーズ、チャイコフス
キー、ドビュッシー、マーラー、メシアン等々だと思いますが、
多くは現在のトランペットより管の長い長管トランペットとの対比
で使用しているのではないかと思います。たとえば、トランペット
が長管のin Fでコルネットがin Bbというように。(長管トランペ
ットの時代には、コルネットはトランペット族より管長が短かった
ので、マーラーの7番にはKleine pistonの表記がある、現在トラ
ンペットは長管から短管になったが、コルネットの管長は昔のまま、
と言っている人もいますね)
この場合のトランペットとコルネットの音色差を、現在私たちが普
通に使用する短管のトランペットとショートモデル&深いマウスピ
ースによるコルネットの音色差と同一と考えていいか、疑問に思っ
ています。オーケストラのトレイナーのプロ奏者は、コルネットの
パートをショートモデル&深いマウスピースで演奏してしまうと、
作曲家の意図した音色ではないだろうし、オーケストラの音に埋も
れてコルネットの音が聴こえなくなるという理由でロングモデル&
浅めのマウスピースで演奏する事を勧めています。最近はロングモ
デルコルネットの選択肢が狭いので、ショートモデル&浅めのマウ
スピースという、あまり理想的とは思えない組み合わせで演奏して
いる同僚もいます。(私自身はあまり適しているとは思わないなが
らも、昔のヤマハカスタムYCR-8335Sに14番という組み合わせで、
旧態依然としたままなのですが・・・)
以前のように、コルネットと指定があってもトランペットで演奏し
てしまうことよりは進歩していますが、更に突き詰めるべきでは?
と思っています。それには楽器の供給も必須で、楽器メイカーが
オーケストラユースに合うコルネットを開発してくれたりすると
ありがたいのですが・・・。

ちなみに、今年の年末にメシアンの「トゥーランガリラ交響曲」を
演奏するのですが、トランペットセクションはD管ピッコロトラン
ペット1本、C管トランペット3本、Bb管コルネット1本の指定に
なっています。このコルネットパートは(私が演奏するのではない
ですが)トランペットとの書法の差がほとんど感じられないのです
が、どうしてこの楽器を指定したのか、知りたいところです。