re:抜き差し管の修正  #7272
投稿者:  中川喜弘 (2000/06/05 05:19)

>管の摩擦の問題ではなくて、自然と開いたりと角度がついてしまってそれで動きがしぶくなるそうです。

 コンボイさんのおっしゃる通りですが、トランペット吹きなら自分でやる練習をしましょう。方法をお教えします。

 用意する道具、ノギス ぼろ切れ バルブオイル

 最初にすることは、一番の抜き差し管を抜いて下さい。両方一度に差すのではなく、片方ずつ差してみて下さい。両方とも個別に、抵抗無く「すとん」と入ることが第一条件です。
 もし片方ずつのテストで、少しでも抵抗があるようでしたら、第一にその抵抗を取らなくてなりません。このテストをする時、第一バルブ(ピストン)は必ず抜いてやって下さい。
 抵抗があると言う事は、ほとんどの場合「汚れ」です。はずした抜き差し管と、バルブ側の表と中側をアルミの掃除棒を使いぼろ切れを巻いて徹底的に「すとん」と落ちるようになるまで掃除をして下さい。注意点としては、落ちるか落ちないかのテストをするときは必ず「バルブオイル」を差しながらです。スライドグリスはテストの間は禁物です。
 たまにですが、磨き上げても「すとん」と落ちない時は、生まれつき管の太さが合致していないと思われます。ヤマハアトリエなどで使っているのは、名前は知りませんが「テープ状」になったやたら目の細かい「テープヤスリ」で巻くようにして中管の方を磨いています。間違っても紙ヤスリではやらないで下さい。

 片方ずつが「すとん」と落ちるようになったら次の作業に取りかかります。
 ノギスを使い、抜いた抜き差し管の、前後の間隔を測って下さい。完全に一致した場合は楽器本体の「受け側」の間隔を測って下さい。
 前後の間隔を一致させる必要があります。大変微妙ですが、「1.2.3.」とかけ声をかけながらあくまでも軽く押します(または引きます)
 これでかなり動くようになりますが、抜き差し管を片方だけ入れて光りにかざしてみて下さい。差されてない方を注意深く見ると前後どちらかに隙間が出来ています。その隙間を取らなくては両方同時に入れた時「すとん」と落ちてくれません。
 
 作業の仕方としては、抜き差し管を片方差したまま、「1.2.3.」とかけ声をかけながら軽く狭くします(あるいは広くします)ここで初めて抜き差し管を両方差します。これでさきほどより悪くなった場合は、「1.2.3.」と声をかけながら、さっきと反対の方向に力を加えます。とりあえず以前の状態に戻ると思います。
 楽器本体側の抜き差し管の、前後の間隔の誤差を修正する場合は、上側の管だけ片方に抜き差し管を差し、どちらか一方に軽く力を入れて下さい。

「1.2.3.」と声をかけてやっていれば、悪くなった場合に同じ力だけを反対方向にかけることが出来ます。あくまでも軽くやらないと、本体側の抜き差し管が「ボキッ」といく場合がありますのでくれぐれも注意をしてやって下さい。

 以前より「がくん」と悪くなった時は、良くなる前兆です。悪くなった時と反対の方向に、「1.2.3.」で元に戻し「1.2.3.」さらに同じ方向に力を加えます。オイルは「バルブオイル」が一番です。 くれぐれも注意をしてトライしてみて下さい。 三番抜き差し管も同じ方法で作業をします。

 自信が無い方は修理所のリペアマンに任せて下さい。


http://www61.tcup.com/6106/bxe05732.html