音色の変化のコントロールについて  #8271
投稿者:  ロータリーTrp1号 (2000/08/17 10:53)

 下のイメージお話のあとお読み下さい。

 音色の変化ですが、方法は人によりちがう部分もありましょうし、私の方法は欠陥が
あるかも知れません。また、仮に一般論として正解でも、あなたに合わないかも知れま
せんので、話半分で聞いて下さい。

 さて、音色ですが、トランペットだけを思う浮かべると音色の幅が狭くなりますから、
他のいろいろな楽器を思い浮かべましょう。

 例えばホルン。どんな音でしょう。もちろんホルンも音色を変化させますので、プロ
オーケストラのCDなど聴くと、場面により、音がちがいます。ここではホルンのやわ
らかい音をイメージしましょうか。発音してみて下さい。どんな音です?

 私は、「ポー(po−)」という音を思い浮かべます。

 対してトランペットはどうでしょう。
 
 私は、「パン(pan)」とか、「パーン(pa−n)」とかを思い浮かべます。

 「ポー」と「パー」、口の形がちがうでしょう?特に口の中が。のばしてる母音の違い
ですよね。

 このように母音をいくつかのばして発音すると、明るい音系、暗い音系に分けられま
せん?
 「オー」「ウー」は暗い音系、「イー」「エー」は明るい音系、「アー」は中間かな。だから
基本の音になるのかも知れません。

 これをラッパでやるわけです。シラブルって言うんですか、口の中の形。この変化で
音色を変えます。あとは唇の左右方向への張り方。横に張ると明るい音、すぼめると
柔らかい音、もしくは暗い音。でも、そうですよね、「イー」なんて音、口を横に引きま
すよね。「ウー」は口すぼめるし。

 つまり、文字通り「歌う」ことが音色の変化につながるわけです。

 ラッパらしい、「パン!(pan)」という力強い響き、どうすると出せるのか。それも、「パン!」
と歌って吹くんですよ。(もちろん声は出しませんが、同じ口の動きをするということ
です。)

 以上は、多少大げさにいっている部分もあります。実際にはラッパに上手くフィットさせ
る必要があるでしょう。その辺はやはり練習かなあ。

 また、楽器は口先で鳴らすものではないので、ブレスコントロールが重要なのは当
然でしょうか、私は、以上のことを基本に、その上で、音程や響きを考え、ブレスコント
ロールもしているようです。ここらは、練習あるのみで、どうやっているかは説明できま
せん。

 それと、ヴィヴラートも有効な音色についての方法です。ヴィヴラートについては以
前のトピを参考にして下さい。

 さらに、音色を含めての音楽表現全体で、柔らかさや、かたさを表現するわけですから、
先にも言いましたように、しっかりイメージし、アーティキレーション(スラーとか、スタッ
カートなど)の練習もしましょうね。それらが総合的になって初めて、いろいろな表現が
可能になりますから。
 
 その意味では、アタック(発音の際のタンギング)で、音はとっても変わります。ソフトな
アタックで発音すること、少しきついアタックで発音することなども大切なことです。

 トランペットでも、サルサなど、ラテンミュージックのメキシカンサウンドとでも申しましょ
うか、明るく軽い響きと、クラシックの、特にドイツ系オーケストラのロータリートランペッ
トの重々しい音には、大いに違いがありますが、私は「パーン(pa−n)」と「バーン(ba−n)」
の違いとイメージしたうえで、歌いながら、アタックや息の使い方などを変えて表現します。 


 でも、実は一番大切なのは、基本的に音を鳴らせる状態をきちんと作るための基礎
練習と、あくまであなたの中にしっかりしたトランペットの音色と表現についてのイメー
ジを作り上げることだと思います。


akiy@thsnet.or.jp