re:ヤマハの楽器について  #9191
投稿者:  ヤマハユーザーとして (2000/10/21 12:11)

 今はロータリー(ラボ)を使っています。他にも多メーカーのロータリーはじめ何本か持っていますが、
ラボについては全く満足しています。
 
 下の方のトピにコンピュータ設計だから、つまらない、という話がありました。私はちがう感想を持っ
ています。
 あくまで想像ですが、現在でも、アメリカやドイツなど、個人工房的に作っている専門メーカーがありますが、
コンピュータに頼らないしても、幾何学的計算に基づく設計をあまり重視しないメーカーがどれだけあ
るでしょう。長らく続く古くからのヒット商品、バックストラッドや、ホルンならアレキサンダー103などは、
その歴史の間に、何度も改良を受けています。そのとき、コンピュータなどで再解析していることも十
分あるでしょう。だいたい、コンピュータの技術や利用度の最先端は日本じゃないんですから。日本の
企業がやってて評価されてること、海外のメーカーはホントにやらないんでしょうか?

 シルキーの美しさは、クラフトマンシップも見事ですが、やはり幾何学的な設計そのものが見事である
と感じるのは私だけでしょうか。シルキーの見事さは幾何学的的なものそのものだと思うのですが。

 ヤマハは研究熱心です。その旺盛な開発意欲で、国産でありながら、ドイツ以上のロータリーや、
アメリカ以上のピストン楽器を作っていることは間違いないです。そして、そのためのアプローチとして、
コンピュータなどを用いた設計技術と、クラフトマンシップ(手作り技術)との融合を図っています。

 私のラボなど、そうしたことの賜ですし、よく言われる音程の良さや扱いやすさだけでなく、音色や
吹きごごちに味があります。ただ、もちろんここから先の話は好みの問題です。気に入ればよし、そう
でなければさようなら、です。

 ヤマハの製作技術と製品のレベルは世界1(と言っても、多メーカーが世界2,3位以下という意味
ではない。)です。先端技術はどこもが取り入れられる部分では取り入れています。その一方で、昔
からのやり方も踏襲する。1流メーカーはすべてそうです。手作り部分の多い楽器は、最後の味付けの
部分で、ある程度の経験者ならば必ずそれとわかる特徴と味わいがありますから。

 長くなりましたが、言いたいのは、ヤマハがどうだからだめだとか、つまらない、というのははまらない
と言うことです。それならば、同じような観点で、シルキーはだからだめ、バックはだからだめ、カリキオ
はだからだめ、って、難癖、いくらでも付けられますよ。

 ではなく、音程や扱いやすさ、そしてなにより音色と響きが自分に合うと感じるかどうかなんです。そして、
それは上達とともに、あるレベルに達してからも、時とともに、もちろん用途によって、変わるものなんです。
 その意味で、ヤマハゼノは他のものと同格に見ていい楽器です。あとはあなたが気に入るかどうかです。

 もちろん、ピストンであれ、ロータリーであれ、ヤマハ以外に世界中に名器はたくさんあります。それらや
ヤマハの特徴をあげることはここでは控えますが、そうしたものの中に、きっとあなたが
 「これだ!」
と感じるものがあるでしょう。

 私の場合、バックGPから、今はロータリーに完全鞍替えですが、バックメインの時期もドイツ製ロータ
リー持ってましたが、ロータリー党にさせてくれたのは、ヤマハラボなのです。劇的でした。
 「これやな!」でしたよ。
それ以来、バックはあまり吹こうと思わないのです。味気ないのです。

 あなたにとって、それは、ゼノでしょうか、それとも多メーカーの他の楽器でしょうか?いつでしょうか?
1度ならず、2度3度起こるかも知れませんよ。それを感じるのはあなた次第、そしてそれを感じるのは、
ある程度の技術と感性と、経験がいるでしょう。それを積むため、人の話を聞くことはいいのですが、
納得しないものに黙って従う必要はありません。
 

akiy@thsnet.or.jp