re:社会人のみなさまへ  #9280
投稿者:  ロータリーTrp1号 (2000/10/24 21:19)

 あなたご自身の感想にけちを付けるつもりは更々ありません。しかし、サイレントブラスやプラクティス
ミュートが、全く意味をなさず、害をなすだけのものと言い切れるのでしょうか。
 生音で練習できること
が何にもまして素晴らしいことは、基本的にその通りだと思います。
 わたしのちっぽけな体験では、以下のようなことがあります。
 現在、我が家には練習室があります。家の中では、音は結構漏れているのですが、妻もホルン吹き、子
供も音楽好きで、小さいときから、ラッパの音を聞き慣れているので、多少音がするくらいでは、気になら
ないで、寝ることができるようです。1階に練習室、2階が寝室ということもあるでしょうが。先々は、も
う少し音が漏れて聞こえないよう、何らかの工夫をしなくてはいけないとは思っていますが。それでも、今
では、練習室のおかげで深夜2時、3時であっても生音でfffで練習できます。ですから、ほぼ、毎日のよう
に練習できるわけです。その割に上達していないかもしれませんが、それでも、以前より調子が少しは上
がってきたように思います。
 この練習室付きの家を新築して約1年ですが、それ以前は、もっぱらサイレントブラスでした。昼間と
いえど、生音を出しにくい環境でしたので、なかなか生の音で練習する機会はありませんでした。その
ようなとき、サイレントブラスは、ただのプラクティスミュートに比べても、音程もよく、電気的にですが、エ
コ−などの効果も出せるので、気分良く演奏できました。外部入力もあり、CD等に合わせて練習する
ときも気分良くできたものです。

 ただし、みなさんご指摘のように、抵抗感が違いますので、これでしか練習できないと、いきなり生音
になったとき、調子を崩したり、音程はじめいろいろなことにおいて微妙なコントロールができない。こ
のような弊害があることは事実です。従って、生音で頻繁に練習できるのであれば、使う必要など全
くないと言ってよいでしょう。
 私の場合、現在は、ラッパ用、ホルン用ともに全く使うことはありません。出張その他に、ミュート部
分だけ持って行くことはありましたが。

 もともと、練習場所のない人のために開発されたのがプラクティスミュートであり、サイレントブラスなん
です。たとえマウスピースだけでも鳴らさないより、毎日鳴らした方がいいですし、少しでも気分良く、楽
しく練習できた方がいいわけですから、割り切って使う分には構わないと思います。私の場合なら、練
習室がなければ、今でもお世話になっているはずです。練習場所探して、いらいらするなんて、そんな状
態で毎日吹くなんて、現実問題、無理でしょ?サイレントブラス等に頼らないで、毎日練習できるなんて、
社会人のラッパ吹きの中にどれだけいるんでしょう?そのような人にはどういうふうに練習しているか、
その方法をいろいろ聞いてみるといいと思いますが、これなら誰でもできそうだ、なんて方法なかなか
ないと思いますが。

 ですから、割り切って吹くのなら、サイレントブラスやプラクティスミュートは悪いものではないというの
が、私の結論です。ただし、何度も言いますが、できるだけ生音で吹くのがいいのは私も同感ですし、
毎日生音で吹けるのならば、サイレントブラスは不要だと思います。そして、サイレントブラスを使うと
きは、弊害もあること注意し、その上でコンディションを調整する必要も出てくるだろうということもあら
ためて付け加えておきたいと思います。

p.s.Hiroさんへ
  ボストン響主席のチャールズ・シュリューターがモネを永らく使っているこ
  と、そしてそのモネがますますごっつい楽器になっていることはたしかによ
  く知られていますよね。で、そのシュリューターがヤマハを吹くと音が割れ
  るわけですか?バックならどうなんですか?あるいはレヒナーのロータリー
  あたり(ボストンでは吹かんだろうが)なら?

  奏者と楽器の相性、好みはもちろんあるでしょう。しかし、シュリューター
  ほどの名手ならば、ヤマハやバック、レヒナーでもつぼを探し出し、その楽
  器に合わせつつ、彼ならでは演奏をしてみせると思いますがね。音が割れる
  のは、楽器のキャパシティーもありますが、ヤマハゼノであればキャパシテ
  ィーよりその楽器と自分の接点を探し出せるかどうかではないですか?

  もし、ヤマハのキャパシティーに問題ありとおっしゃるなら、NYPのフィ
  リップ・スミスや元ボストン響のティモシー・モリソンがヤマハでグレート
  な演奏を披露していることについてはどう説明されるのでしょう?前者
は、シカゴ響ハーセス引退ということもあり、今やアメリカNo.1奏者でしょ
うし(いや、BPOグロートも一線を退き、クレッツァーの2番降格が間近など、
世代交代の嵐が吹き荒れる中、今や世界1の名手と言えるんじゃない
ですか?)、後者は、今年のサイトウキネンオケでも、マーラー復活で、まさ
にグレートな演奏を聴かせたばかり。小澤はシュリューターより、モリソンを好
んでいたらしいことは有名ですよね。

  私としては、あなたが好みを言い、意見をおっしゃるのはよいのだけれど、
  たとえ自分の感想を素直に言ったまでとしても、よほどの根拠がなければ、
  1メーカーをことあるごとに悪いと言うようにおっしゃるのは、どうかと
  思いますよ。

  私個人も、バックについてよくないことを言ったことがあります。ただし、
  私自身がバックを今でも使い、よい楽器だと断った上で、闇雲なバック信
  仰を崩したいがためです。つい最近もバック信仰、ないしはヤマハはだめ
  定説に悩んだというようなトピ、ありましたね。

  バックについては、たとえばサンデーペッターさんと意見が割れたことも
  ありましたが、楽器についての基本的な考えかとの部分では意見の一致を
  見ました。もちろん、以前あなたがおっしゃってように、金太郎飴的な意
  見ばかりではおもしろくなでしょう。しかし、この、TLはまれにみるぐ
  らい良識的で、ためになる意見が得られる場だと思います。少し前にあっ
  た、ある中学生とのやりとりでも、ここに来られる方々の基本的な物事に
  対する考え方に、全く持って同調するばかりでした。

楽器の選び方についても、みなさん、情報や意見は参考にしても、訳の分か
  らない信仰を上から押しつけられるのではなく、自分でこれだという楽器を
  探しましょう、とおっしゃってます。全く同感です。たとえば、モネのラー
  ジャなんて、ふつうの小学生に適した楽器だなんて言えるはずはないでしょ
  う。ヤマハなどのステューデントモデルが最適な人もあるわけです。もち
  ろん、100年前のオールドベッソンが最高だという人もあっていい。

  たとえばヤマハについて、もしお嫌いなら、吹いた上で、ヤマハのTrpの 
  音が主張がなく好きになれない。なんていう風に具体的におっしゃれば、ヤ
  マハにしようかどうしようか悩んでいる人の参考にはなると思います。ヤマ
  ハやバックについてこうした話は今までにも出てきて、それそれで、参考に
  なるお話でしたから。

  今のままでは、ただヤマハの悪口をおっしゃっているだけのようにしか感じ
  取れず、悪意さえ感じます。(違っていたらごめんなさい。)で、ここに来
  る多くのヤマハユーザー(特に学校の楽器を使っている中高生さんなど)が
  がっかりするだけ。

  とにかく、設計、基本思想、製法はもちろん製品に影響することは間違いな
  いのですが、結果としての製品そのものについて、楽器を吹く愛好者、これ
  から楽器を手に入れようとするものにとって有益なご意見こそが、意味のあ
  るものだと考えます。


akiy@thsnet.or.jp
takahiroakiy@do4.enjoy.ne.jp.